雇用契約書の重要性

雇用契約書を交わしていなかったり、整備が不十分だったりしたことで、具体的にどのようなトラブルが考えられるでしょうか。

「契約期間・更新期間」「転勤」「退職・解雇」「賃金・賞与・残業代」などに関して、ほんの一例ですが、以下のようなことが挙げられます。

①《契約期間・契約更新》
働きの悪い社員を契約期間満了として取り扱いたいが、自動更新状態であったり、契約更新の判断基準について決めていなかったためできなかった。

②《転勤》
転勤を社員に命令したが拒否され、雇用契約書上で転勤の可能性の記載がなかったためできなかった。

③《退職・解雇》
定年について明記しておらず、就業規則もない会社において、慣例により60歳定年を申し渡したが、労働者が継続雇用を申し出て、労使関係が悪化した。

④《賃金・賞与・残業代》
賞与について「就業規則による」と定めており、当該就業規則で「経営状態悪化時の賞与減額または不支給」について定めておらず、賞与の減額ができなかった。

雇用契約書には上記のようなトラブルの種があるため、企業側は特に注意してその作成をすすめる必要があります。