【判例】振動障害で労災認定へ 不支給処分取消し

静岡労働局は、仕事中に手がしびれるなどの振動障害を患ったのにも関らず、浜松労基署が休業補償給付金などの不支給決定処分をしたとして元男性会社員が求めていた審査で、不支給決定処分を取り消す決定が6月14日に明らかになりました。決定は5月30日付になります。

男性は、浜松市の塗料製造会社で36年間、攪拌機で塗料や合成樹脂を調合する仕事に携わっていました。2011年3月、長野県の病院で手のしびれは振 動障害である診断され、同9月に浜松労基署に労災申請し、2012年3月、攪拌機は厚生労働省が定める振動工具ではないとして、不支給となっていました。

男性は、同社の熊本県内の工場で同じ作業に従事していた同僚2人が、2006年に天草労基署に労災認定されていた点を指摘していました。「労基署によって認定基準が異なるのはおかしい」も訴えていました。

決定書によりますと、攪拌機は厚労省が規定する振動工具と類似の振動を局所に与えると認められ、男性の振動障害は業務上の疾病と判断されました。