webmaster のすべての投稿

【年金・医療】「企業年金が重荷」7割 「給付減やむなし」2割

有力企業の約7割で企業年金が「業績や財務の重荷」になっていることが、最高財務責任者(CFO)を対象に実施したアンケートで明らかになりました。企業 の多くはこれまでも給付水準の引き下げなどで対応してきましたが、なお2割の企業が「将来、給付削減はやむを得ない」とみています。団塊世代の大量退職を迎え、制度や運用の見直しに動く企業が今後増える可能性がある。

今回まとめた「CFO調査」は、株式時価総額の上位300社(金融、電力を除く)を対象にアンケートを実地し、197社(66%)から回答がありました。 年金が業績や財政に与える影響が「重くなっている」と答えた企業は71%に達しました。一方、「変わっていない」は29%、「軽くなっている」はゼロという結果でした。

過去1年間でも、年金給付水準の基準となる利率(給付利率)をファミリーマートが3.5%から1%に下げ、カシオ計算機も給付水準を引き下げるといった動きが相次いでいます。

企業は年金運用が低迷し、将来の年金払に備えた資産が不足すると一定期間で処理しなければなりません。加えて2014年3月期からは積立不足が負債に計上されるようになります。財務悪化につながるだけに対応が急務となっています。

【労働経済】損保ジャパン 労災保険に無料「心の相談」

損害保険ジャパンは12月5日、主に中小企業の人事担当者を対象に、社員のメンタルヘルス(心の健康)について専門家に電話相談できるサービスを来 2013年1月に開始することを発表しました。従業員が労働災害にあったときに支払う補償金などの負担に備えて、企業が任意で加入する労働災害総合保険の無料の付帯サービスとして提供します。保険業界では業界初の試みと言われています。

実際の対応を行うのは同社子会社の損保ジャパン・ヘルスケアサービスです。保健師や看護師、専門医を擁し、労働者のメンタルヘルス対策全般を手がけています。損保ジャパンの労働災害総合保険に加入する企業の人事担当者はこれらの専門家らに、メンタルヘルス上の悩みを抱えた従業員の職場復帰などに関する相談を電話で行える。来年1月以降の新規契約分や既存契約の更新分を対象に、無料の付帯サービスとして提供します。

メンタルヘルス上の悩みを抱える従業員は増加傾向にありますが、中小企業では専門の対策部署がないことも多く対策が遅れがちです。損保ジャパンには労働災害総合保険に加入する中小企業から付帯サービスとして提供するよう、要望が多く寄せられていました。同社はいち早く無料サービスとして打ち出すことで、差別化を図ります。

【労働経済】関西電力、来夏ボーナス見送りを組合に提案

関西電力が、2013年夏の社員のボーナスをゼロとし、基準賃金の5%カットを柱とする人件費削減策を、労働組合に提案したことがわかりました。

2012年12月6日、関西電力は労働組合と団体交渉を行い、社員の来年夏のボーナスを見送ることを提案したとのことです。

関西電力は、2013年度からの3年間で人件費を1033億円削減するとしていて、社員の平均年収を16パーセント削減する方針を示していました。

今回の提案では、基本給も5パーセント程度削減するほか、2か所の保養所と体育館などの厚生施設も廃止するとのことです。また、住宅購入のための貸付金制度や確定拠出年金制度も見直すとしています。

関西電力は、2013年4月から家庭向け電気料金について平均11.88パーセントの値上げを申請しており、社員の給与カットにより、利用者の理解を得る狙いがあるとみられています。

【年金・医療】農業者年金、未払い発覚

農業に従事している人が、国民年金の上乗せ部分として任意で加入する農業者年金で約30年前から未払いがあったことが分かりました。未払いになっている総額が最高で1人あたり300万円を超えている人もいるということです。

農林水産省所管の独立行政法人が運営する農業者年金は、農家が任意で加入する制度で、国民年金に上乗せして年金が支給されます。関係者によりますと、この上乗せ部分で未払いがあり、全国で約150人の受給者に本来支給されるべき年金が支払われていないということです。

【労働経済】女性の出産後継続就業率、現状の26.8%から55%へ引き上げ目標

厚生労働省は4日、仕事と家庭の両立支援対策に関する資料を公開しました。女性の出産後継続就業率26.8%、出産退職43.9%である現状から、継続就業率を2015年に50%、2020年に55%まで引き上げる目標を掲げます。

同省では、出産後も子育てをしながら働き続けられるよう、仕事と家庭を両立しやすい職場環境づくりを推進するなど、誰もが仕事と生活の調和が取れた働き方ができる社会の実現に向けて取組んでいます。

しかし、女性が第1子出産後に就業を継続することは依然として困難となっており、子どもの出生年が2005年~2009年の出産後継続就業率は26.8%、出産退職は43.9%となっています。

妊娠・出産前後に退職した理由として、「家事・育児に専念するため自発的にやめた」(39.0%)が最多となっていますが、「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさでやめた」(26.1%)や「解雇された、退職勧奨された」(9.0%)という理由も挙げられました。

同省では、第1子出産前後の女性の継続就業率を50%(2015年)から55%(2020年)に引き上げる目標値を掲げます。また、男性の育児休業取得率を8%(2015年)から13%(2015年)に引き上げ、あわせて6歳未満の子どもをもつ男性の育児・家事関連時間を1日あたり2時間30分(2017年)に引き上げる目標を掲げます。

育児休業に関する法律の一部を改正する法律について、子育て期間中の働き方の見直し策として、3歳までの子を養育する労働者に対して短時間勤務制度(1日6時間)を設けることを事業主の義務とするなど、男女ともに子育てをしながら働き続けることができる雇用環境が整備されつつあります。

【判例】アスベスト訴訟 国に責任、初認定

建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み健康被害を受けたとして東京、埼玉、千葉の元建設作業員308人(うち199人死亡)について、本人と遺族計337人が国と建材メーカー42社に慰謝料など総額約120億円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は5日、国の対策が不十分だったと認め総額約10億6000万円の支払いを命じました。メーカーの責任は否定しました。石綿被害で国の責任を認めた判決は大阪の石綿紡織工場元従業員による集団訴訟の1審であるが、元建設作業員による訴訟では初めて。

始関(しせき)正光裁判長は、石綿の危険性が医学的に確立した時期について、「国は遅くとも昭和56年以降は、事業者に罰則を伴って防じんマスクの着用を義務づけさせたり、作業員に危険性を伝えたりすべきだった。こうした対策を怠ったことは著しく不合理で違法だ」と指摘。メーカーや事業者について「何の責任も負わなくていいのかとの疑問があるが立法政策の問題。血税で被害の一部を補填(ほてん)することを踏まえ、立法府と関係当局に真剣な検討を望む」と述べました。

その上で同年以降に屋内で作業に従事し肺がんや中皮腫になった元作業員158人について遺族を含む計170人に賠償を認めました。吹きつけ工については国の庁舎工事での石綿吹きつけが禁止された後の74年以降を賠償対象としました。

判決について、厚生労働省は「判決の内容の詳細はまだ把握していないが、判決で国の主張が認められなかった点があり、厳しい判決だと理解している。判決内容を十分検討するとともに、関係する省庁と協議したうえで今後の対応を決めたい」というコメントを出しました。

一方、弁護団長を務める小野寺利孝弁護士は「国の責任を認めた点は評価できるが、企業の責任を認めなかったのは不当であり控訴したい。あわせて国会に対しても、被害者を救うための立法的な措置を行うよう求めたい」と述べました。

【年金・医療】保険指定2病院、3月に取り消し 豊岡会不正受給

医療法人「豊岡会」(愛知県豊橋市)による診療報酬不正受給問題で、厚生労働省東海北陸厚生局は2012年12月3日、健康保険法に基づき豊岡会が経営するはまなこ病院(浜松市)と岡崎三田病院(愛知県岡崎市)の保険医療機関の指定を来年3月1日付で取り消すと発表しました。2病院は原則5年間、保険診療ができず、医療費は全額、患者の自己負担となります。

豊岡会は3日、豊橋市で記者会見し、2病院を売却するため複数の医療法人と交渉していることを明らかにしました。

売却により新たな病院として保険医療機関の指定を受け直すためで、鈴木道生理事長は「患者と家族におわびする。経営改革に努め、今後も患者が保険診療を受けられるよう対処したい」と謝罪しました。

厚生局によると、2病院は産休の看護師が出勤しているなどとした虚偽の届け出をし、看護師数を水増しして診療報酬を不正請求していました。

厚生局が精査した結果、2006年からの5年間で不正に請求、受給した額は、はまなこ病院で約4億8千万円、岡崎三田病院で約15億8千万円に上っています。

豊岡会によると、2病院に加え、浜松とよおか病院(浜松市)と豊橋元町病院(豊橋市)の計4病院が、書類の記載ミスなどにより過剰に受け取った診療報酬も計約20億円に上るといいます。

今年3月、診療報酬で過去最大規模となる約50億円の不正・過剰受給が発覚、厚生局が豊岡会を調べていました。

【判例】継続雇用「基準満たせば拒めず」 最高裁、64歳男性勝訴

65歳までの雇用確保を定めた高齢者雇用安定法に基づき導入された継続雇用制度で再雇用を希望した男性(64)=兵庫県川西市=が、選定基準を満たさないとの理由で会社が拒否したのは不当として、再雇用されたことの確認などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷は2012年11月29日、会社側の上告を棄却し、男性の勝訴が確定しました。

継続雇用制度の再雇用をめぐる初の上告審判決です。山浦善樹裁判長は「男性は選定基準を満たしており、雇用が継続されると期待することには合理的な理由がある」と判断、会社の拒否について「やむを得ない特段の事情がなく、社会通念上相当ではない」と指摘しました。

【労働経済】75.3%の企業が賃金引き上げ 2012年調査、平均4036円増―厚生労働省

厚生労働省は、2012年に平均賃金の引き上げを実施または予定している企業は前年比1.5ポイント増の75.3%だったとする賃金改定の調査結果を発表しました。1人当たりの改定額は月平均4036円で前年比523円増となっています。引き下げる企業の割合は0.5ポイント減の3.9%となりました。 厚労省は「東日本大震災で引き下げた賃金を、復興が少しずつ進むにつれ、震災前の水準に戻したためではないか」とみています。また、産業別で平均賃金を引き下げた割合が最も高かったのは不動産業・物品賃貸業の9.7%。最も低かったのは建設業の0.8%でした。

【労働経済】残業代、1年2カ月振り減少 10月、製造業不振―厚生労働省

2012年12月4日、厚生労働省が発表した10月の毎月勤労統計調査(速報)によると、残業代などの所定外給与は前年同月と比べ2.3%減り、1万8460円でした。減少は2011年8月以来14カ月ぶりで、製造業の残業が減ったことが主因とみられています。厚生労働省は「中国など海外経済の鈍化による輸出減少が響いた」と分析しています。

残業など所定外の労働時間は全産業平均で4%の減少となりました。足元の景気動向を示すとされる製造業の所定外労働時間は6.8%の大幅減となっており、特に自動車など輸送用機械工業では15.3%減り、落ち込みの大きい結果となりました。

基本給や家族手当を含む労働者1人当たりの「所定内給与」は24万4591円で、7カ月ぶりに前年同月比で増加となりました。カレンダーの日並びで、前年に比べ平日が2日多かったためです。