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【労働経済】65歳雇用、健康状態が理由の例外認める 厚労省

厚生労働省は2012年10月2日、65歳までの希望者の継続雇用を企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法の成立を受け、心身の健康状態や勤務状況が著しく悪い人を継続雇用の対象外とできることを明確にした指針を公表しました。一部の例外を認めることで企業の過度な負担増を避け、若年層の雇用に大きな影響が出ないように配慮しました。

10月2日に開いた労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の専門部会で説明しました。改正法では、65歳までの希望するすべての人の継続雇用を義務づけています。厚生年金の支給開始年齢が2013年度から25年度にかけて段階的に65歳まで上がるのに伴い、無年金・無収入の時期ができないようにする狙いです。

指針では「心身の故障で業務にたえられない」「勤務状況が著しく悪く職責を果たせない」など、就業規則に定めた解雇・退職事由にあたる場合には継続雇用しなくてもよいと明記しました。

部会では法改正に伴う省令の見直し案も示しました。法改正で継続雇用先として認められたグループ企業の範囲として、議決権が50%超ある子会社や、20%以上の関連会社を定めました。

【年金・医療】三井厚労相、高齢者の医療費負担2割に引上げ案は急がずに

三井厚生労働相は2012年10月2日に記者会見し、現在1割に据え置いている70~74歳の医療費自己負担割合を2割に引き上げることについて 「性急にやるべきものではない」と述べました。民主党が看板政策として掲げる最低保障年金の創設と後期高齢者医療制度の廃止は、自民・公明と設置する社会保障制度改革国民会議の議論に委ねる方針を示しました。

70~74歳の医療費自己負担割合は、法律では2割となっていますが、毎年2000億円の予算を投じて1割に据え置いています。岡田克也副総理や小宮山洋子前厚労相は2013年度からの引き上げに意欲を示していました。

13年度の予算編成で本来の2割に戻すのかが焦点となっています。ただ三井厚労相は「消費増税の負担、負担で、国民は納得がいかないだろう。世代間の公平も必要だが、簡単に上げる問題ではない」と語り、引き上げに慎重な姿勢を示しました。

社会保障と税の一体改革で積み残しになっているテーマは国民会議で議論します。最低保障年金は民主党の看板政策ですが、自民党や公明党は反対しています。また、民主党は75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の廃止をめざしているのに対し、自公両党は存続を主張しています。

厚労相は最低保障年金に触れ「民主党と野党とでは違うところが多々あり、国民会議で議論しないといけない」と指摘しています。後期高齢者医療制度の廃止は「地方自治体には定着しているから続けるべきだとの意見があり、野党とも相談したい」と自公両党との妥協点を柔軟に探る意向を示しました。

厚生年金基金制度を将来的に廃止する方針に、基金側が反発していることについて厚労相は「基金の財政は大変深刻で、将来的に廃止する方針は変わらないが、丁寧に議論を進めていきたい」と述べました。

【判例】茨城の和菓子メーカー社員過労死で書類送検―水戸労働基準監督署

2012年10月1日、水戸労働基準監督署は男性社員に13カ月間で3日しか休日を与えなかったとして、労働基準法違反の疑いで、茨城県笠間市の和菓子製造会社「萩原製菓」と男性会長(69)、女性社長(54)を書類送検しました。

監督署によると、社員は昨年8月30日、仕事を終えて帰宅後に倒れ、心室細動により、同9月1日に30歳で死亡。今年2月、過労死が認定されました。

送検容疑は、労基署に労使協定の届け出をせずに、平成22年8月から死亡直前の昨年8月までに休日を3日しか与えず、計53日の休日労働をさせた疑いとなっていますが、会長と社長は容疑を否認しています。

タイムカードには毎月100時間以上の時間外労働が記載されていたが、会社側は「休憩を取っていた」と否定し、確認できなかったとのことです。

会社側の、男性が製造本部長の役職にあり、労基法の時間外労働や休日の規定が除外される「管理監督者」の立場にあるとの主張に対し、労基署は、実際には出荷管理の担当で規定が適用されると判断しました。

【労働経済】「わかものハローワーク」、東京・大阪・愛知で35歳未満の求職者支援スタート

フリーターなど非正規雇用の若者が正社員になるのを支援するわかものハローワークが2012年10月1日、東京・大阪・愛知の全国3ヵ所にオープンしました。主に35歳未満の非正規労働者が対象で専門職員による個別カウンセリングなどを行います。フリーターが増加するなか、厚生労働省は若者の就労促進に力を入れます。

東京労働局が2012年10月1日、渋谷区渋谷2丁目に開所した「東京わかものハローワーク」では、開所初日に開いた就職活動の進め方や応募書類の作成法を教えるセミナーは、予約で満席になりました。
 
「東京わかものハローワーク」では、今後もキャリアカウンセラーや臨床心理士による個別相談のほか、パソコンでの適職診断、求職者の相互交流を図る「ジョブクラブ」を開き、就業意欲に応えていく方針です。

【労働経済】ハローワーク特区スタート―佐賀県・佐賀労働局

佐賀県と佐賀労働局が一体となって就労を支援する「ハローワーク特区」が2012年10月1日、開始されました。国、県で別々の運営だった二つの窓口で運用が一体化されます。ハローワーク佐賀は佐賀・鳥栖両市と連携した取り組みを8月から、「特区」とは別に始めており、好調なスタートを見せています。

特区の事業計画では、若者、障害者、生活保護受給者の就職を、国と県の両組織の職員がチームを作るなどしてサポートし、切れ目のない支援をすることで就労者を増やすことを目指します。特区は3年間、試験的に行い、他の自治体に広げられるか効果を検証する方針です。

ハローワーク佐賀では、佐賀、鳥栖両市役所にハローワーク職員を常駐させ、生活保護などで来た市民に職業紹介をする取り組みを8月から始め、1カ月で414件の相談があり、34人の就職につながりました。特区以外の取り組みが順調なため、特区の成果が注目されています。

【労働経済】雇用調整助成金など 支給条件見直し

業績が悪化しても従業員を雇用し続ける事業所に支給されている助成金について、厚生労働省は景気が持ち直しているとして、来月1日から、緩和していた支給の条件を厳しくし、リーマンショックの前とほぼ同じ水準に戻すことになりました。

支給の条件が見直されるのは、厚生労働省が所管する「雇用調整助成金」と、「中小企業緊急雇用安定助成金」です。2つの助成金は、景気の低迷で売り上げや生産量が減少しても従業員を解雇せず、休業や出向させて雇用を維持する事業所に対し、国が賃金や手当の一部を助成しています。

厚生労働省は、4年前のリーマンショック以降、雇用環境が急激に悪化したことから支給の条件を大幅に緩和し、3年前のピーク時には1か月に253万人分の申請がありました。その後、申請は減少傾向になり、先月は61万人分に減ったことから、厚生労働省は景気が持ち直しているとして、来月1日から、緩和していた支給の条件をリーマンショックの前とほぼ同じ水準に戻すことになりました。これまでの条件では、直近3か月間の売上高や生産高が、前の年の同じ時期などに比べて「5%以上減少」としていましたが、見直し後は「10%以上減少」と厳しくなります。一方、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3つの県については、支給の条件の見直しを半年間、延期することにしています。

見直すのは(1)生産量(売上高)要件(2)支給限度日数(3)教育訓練費(事業所内訓練)の3項目。(1)は現行、「最近3か月の生産量または売上高 が、その直前の3か月または前年同期と比べ5%以上減少」を「(中略)10%以上減少」に変更するほか、中小企業事業主で直近の経常損益が赤字なら、 「5%未満の減少」でも助成対象としていたものを撤廃します。

 (2)は「3年間で300日」を「1年間で100日」に変更。さらに来年10月1日からは「1年間で100日・3年間で150日」とします。(3)は「雇用調整助成金の場合2000円、中小企業緊急雇用安定助成金3000円」をそれぞれ「1000円」「1500円」に引き下げます。 

厚労省によれば支給要件の見直しは、2013年4月1日から第2弾を実施。「助成率」の引き下げや「上乗せ」要件廃止のほか、事業所外訓練の教育訓練費も半額になるといいます。

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/shikyu_02.pdf

【年金・医療】厚生年金基金 廃止に向け課題山積

厚生労働省は、国に代わって公的年金の保険料の一部を運用する厚生年金基金の制度を将来的に廃止する方針ですが、1兆円を超える積立金の不足分をどうやって穴埋めするかなど、廃止に向けて課題は山積しています。

主に中小企業の企業年金を扱う厚生年金基金は、運用益を上げるため、公的年金である厚生年金の保険料の一部も国に代わって運用していますが、経済情勢の悪化によって、半数の基金で公的年金の支給に必要な積立金が不足しており、不足額の総額は1兆1000億円にのぼっています。

こうしたなか厚生労働省は、9月28日、この問題を巡る対策本部を開き、財政状況の改善は見込めないとして、厚生年金基金の制度を将来的に廃止する方針を決めました。

ただ基金を廃止するには、1兆円を超える積み立て不足を穴埋めしなければならず、企業側で穴埋めできない部分は、厚生年金の保険料を使うことになりますが、一部の基金の損失処理を厚生年金全体で負担するのは不公平だという指摘が出ています。

また基金を廃止する前に、ほかの企業年金の制度に移行するよう促すことにしていますが、中小企業が単独で企業年金を維持するのは難しいという指摘があり、 基金に代わる中小企業の企業年金をどう確保するかも課題です。厚生労働省は、厚生年金基金を廃止するための改革試案を10月中にまとめることにしていますが、廃止に向けて課題は山積しています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002kpls-att/2r9852000002kv6o.pdf

【年金・医療】厚生年金基金制度廃止へ

AIJ投資顧問による企業年金の資産消失事件を受け、厚生年金基金のあり方を検討してきた厚生労働省は27日、基金制度を一定の経過期間後に廃止する方針を固めました。28日に開く厚生年金基金の特別対策本部会合で決定し、廃止に関する具体的な方法は10月にも社会保障審議会年金部会に委員会を設置 し、詳細を検討します。来年の通常国会での関連法案提出をめざします。

公的年金の支給に必要な積立金まで不足している基金は、ことし3月末の時点で、全体の50%の280余りに上り、積立不足の総額は、およそ1兆1000億円に達しています。

厚労省は厚年基金に企業年金への移行を促す方針ですが、自民党は現行制度の存続を主張しており今後の政治情勢によって法案の決定は流動的です。

【労働経済】8月の完全失業率4.2%

総務省が28日発表した労働力調査によると、全国の8月の完全失業率は4.2%と前月に比べ0.1ポイント改善しました。改善は2カ月ぶりです。一方、厚生労働省が同日発表した8月の有効求人倍率は、前月比横ばいの0.83倍となりました。