政府は3月3日、財政難が続く国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に移管することを柱とした医療保険制度改革関連法案を閣議決定しました。
法案にはその他、「紹介状なしで大病院を受診する際の自己負担の引き上げ」や、「大企業の健康保険組合負担分の段階的引き上げ」「高齢者の窓口負担割合の引き上げ」なども盛り込まれています。
政府は3月3日、財政難が続く国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に移管することを柱とした医療保険制度改革関連法案を閣議決定しました。
法案にはその他、「紹介状なしで大病院を受診する際の自己負担の引き上げ」や、「大企業の健康保険組合負担分の段階的引き上げ」「高齢者の窓口負担割合の引き上げ」なども盛り込まれています。
厚生労働省は、2月の労働政策審議会に諮問した「労働基準法等の一部を改正する法律案要綱」について、3月2日に同審議会から厚生労働大臣に対して答申が行われた旨を発表しました。この答申を踏まえて法律案を作成し、今通常国会への提出の準備を進めていくそうです。
【法律案要綱のポイント】
(1)中小企業における月60時間超の時間外労働への割増賃金率の適用猶予廃止
・月60時間を超える時間外労働に関する割増賃金率(50%超)について、中小企業への猶予措置を廃止する。(平成31年4月1日施行)
(2)健康確保のために時間外労働に対する指導の強化
・ 時間外労働に関する行政官庁の助言指導に当たり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」旨を規定する。
(3)年次有給休暇の取得促進
・使用者は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、そのうちの5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする。ただし、労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については時季の指定は要しないこととする。
(4)フレックスタイム制の見直し
・フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長する。併せて、1か月当たりの労働時間が過重にならないよう、1週平均50時間を超える労働時間については、当該月における割増賃金の支払い対象とする。
(5)企画業務型裁量労働制の見直し
・企画業務型裁量労働制の対象業務に「事業運営に関する事項について企画、立案調査及び分析を行い、その成果を活用して裁量的にPDCAを回す業務」と「課題解決型提案営業」とを追加するとともに、対象者の健康・福祉確保措置の充実等の見直しを行う。
(6)特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
・職務の範囲が明確で一定の年収要件(少なくとも1,000万円以上)を満たす労働者が、高度な専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確 保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議などを要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。
・制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その労働者に対し、必ず医師による面接指導を実施しなければならないこととする(労働安全衛生法の改正)。
(7)企業単位での労使の自主的な取組の促進
・企業単位での労働時間等の設定改善に関する労使の取組を促進するため、企業全体を通じて設置する労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、年次有給 休暇の計画的付与等に関する労使協定に代えることができることとする(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の改正)。
※ 施行期日:1について平成31年4月1日、他は平成28年4月1日
詳しくはこちらをご覧ください↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000075867.html
3月2日、長崎大病院の事務職員の男性(当時56歳)の自殺は過労が原因として、男性の妻(58歳)が、労災を認めず遺族補償年金を不支給とした国の処分の取り消しを求めて行われた訴訟で、長崎地裁は「自殺は業務に起因する」として、国に処分の取り消す判決としました。
判決によると、男性は2009年3月に仕事上のミスを他の職員の前で上司らに叱責され、また3月と4月には1カ月当たりの時間外労働が計100時間を超え、うつ病になり、2009年4月15日、長崎市内の橋から投身自殺しました。
訴訟では、うつ病の発症時期が争点となり、発症は2009年1月であり業務には起因しないとの国の主張について、判決は「発病は自殺の直前で業務に起因する」と指摘し発症時期を「3月下旬ないし4月上旬」と認定し、業務との関連性を認めました。
平成27年度の健康保険・厚生年金保険の保険料額表が発表になりました。
保険料率の変更は、4月分(5月納付分)からとなります。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h27/h27ryougakuhyou
2016年1月1日以前のマイナンバー収集が可能になった件について【事業者向けマイナンバー広報資料】と【(説明文表示あり)事業者向けマイナンバー資料】が更新されました。
【これまでのマイナンバー収集に関する更新情報】
2/24
【更新情報】2016年1月1日以前でもマイナンバーの収集が可能になりましたー②
2/18
2016年1月1日以前でもマイナンバーの収集が可能になりました。
更新部分
更新部分は【広報資料】のスライド8、【マイナンバー資料】の8のロードマップです。
本年10月から従業員や支払調書作成に必要な外部の個人の方の番号を取得、収集が可能であることとともに会社が従業員の個人番号カード交付申請をとりまとめていただくことも可能とされています。
・申請書の送り先は従業員の居住の市区町村ではなく、地方公共団体情報システム機構となります(1か所にまとめて送付できます)
(通知カードが各世帯に送付される際には機構あての送料無料の封筒が配布されます)
・申請は2015年10月以降、随時可能です
・個人番号カードの交付は2016年1月1日以降です
・申請した個人あてに「交付通知書」が送付されたら、個人が住民票のある市区町村の窓口に受取に行きます
(受け取る際に本人確認がなされます)
・個人番号カード発行費用は初回は無料の予定です(ただし、現段階では閣議決定されたのみで正式に決定はしていません)
資料は、こちらのURLでご確認いただけます。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/pdf/koho_h2702.pdf
大阪の水族館運営会社の男性管理職2人による女性派遣社員へのセクハラ発言をめぐり、会社側が警告せず出勤停止とした懲戒処分が重すぎるかについて 争われた訴訟の上告審判決が26日、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)でありました。第1小法廷は判決理由で「会社内でセクハラ禁止は周知されており、 処分は重すぎない」として、処分を無効とした二審・大阪高裁判決を取り消し、懲戒処分を妥当とする一審・大阪地裁判決が確定しました。
今回の裁判を起こした男性2人は、いずれも職場でのセクハラ発言を理由に、勤務する大阪の会社から出勤停止30日と10日の懲戒処分を受け、管理 職の課長代理から一般職の係長に降格させられました。この処分について管理職だった男性社員2人は、「重い処分なのに、事前の警告がなく手続きが不当」と 主張していたものです。1審は訴えを退けましたが、2審は「女性から明確な拒否の姿勢を示されず、相手から許されていると勘違いしていたことを考慮する と、出勤停止などは重すぎる」として処分を取り消していました。
最高裁小法廷は判決理由で、会社がセクハラ禁止文書を作成して職場で周知したり、全従業員に研修参加を義務づけたりしていたことを挙げ、「管理職 としてセクハラへの懲戒の方針を当然認識すべきだった」と指摘し、セクハラ発言の多くが密室で行われ、「会社が被害を具体的に認識して警告や注意をする機 会はなかった」として、処分手続きに問題はなかったと結論付けました。
判決によりますと、課長代理だった40代の男性2人は派遣社員の20~30代の女性2人に対し、セクハラ発言を繰り返したとされ、このうち出勤停 止30日の懲戒処分を受けた男性は、女性社員と2人きりのときに自分の浮気相手との性的な関係について一方的に聞かせるなどしたほか、「夫婦はもう何年も セックスレスやねん」などと話したとされています。また職場を訪れた女性客について、「好みの人がいたなあ」と性の対象とするような発言もしたということ です。
一方、出勤停止10日の懲戒処分を受けた男性は、「彼氏おらへんのか?」や、「もうそんな年齢になったの。結婚もせんで何してんの?親泣くで」といった ことばや、「夜の仕事とかせえへんのか?時給いいで」と偏見に満ちた発言、それに「男に甘えたりする?女の子は男に甘えるほうがいいで」などと答えられな い質問をしたとされています。
今回の最高裁判決では、男女雇用機会均等法は職場でのセクハラ防止対策を義務づけており、会社側が十分に対策に取り組んでいたケースでは、警告なしの懲戒処分は妥当という判断が示されました。
2009年にシルバー人材センターに紹介された樹木剪定作業で骨折した男性(2013年に71歳で死去)の長女が、健康保険が適用されないのは不当 として全国健康保険協会に不支給処分の取り消し、法整備を怠ったとして国に慰謝料など約80万円を求めた訴訟で、奈良地裁(牧賢二裁判長)は26日、原告 側の請求を棄却しました。
判決などによりますと、男性は2009年11月、奈良県内の住宅にある庭木の手入れを委託されたが、作業中に石垣が崩れて足の指を骨折しました が、センターと男性は雇用関係になく労災保険が適用されませんでした。また当時男性は、長女が加入する協会けんぽの被扶養者で、健康保険についても「業務 上のけが」として適用されませんでした。
判決で牧裁判長は、不支給処分について「男性の作業は業務に当たり、裁量権の逸脱はなく適法」と認定しました。
訴訟を契機に、シルバー人材センターの委託作業中やインターンシップでのけがなど、労災も健保も適用されない「制度の谷間」の問題が表面化したこ とから、国は2013年10月に改正健保法を施行し、業務中のけがや病気で労災保険が適用されない場合に健康保険が適用されるようになりました。判決は改 正法の遡及適用も認めませんでした。
厚生労働省は2月24日、年金制度改革案を自民党の厚労関係部会に示し、了承されました。物価や賃金が下がるデフレ時にも年金支給額を抑制する「マ クロ経済スライド」については適用を断念し、その抑制幅を翌年度以降に繰り越して賃金や物価が大きく上昇した年度にまとめて適用するとしました。 また、パートなど短時間労働者の厚生年金への加入拡大を進めることや、国民年金に加入する女性を対象に出産前6週間と出産後8週間の保険料を免除する制度の導入案も盛り込みました。
飲酒検査でアルコール反応が出た3日後に自殺した京王電鉄バスの当時50代の男性運転手の遺族が労災認定を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2月25 日、「検査が誤っていたのに会社は男性に伝えず、解雇されるかもしれないと強いストレスを受けたのが自殺の原因」として労災と認めました。
判決によると、男性は2008年6~7月の間に2回、アルコール検査で「飲酒」と検知されました。同社には高濃度の反応があった場合に解雇できる 規定があり、男性は4年前にも検知歴があったため、周囲に解雇になる不安を漏らし、2回目の検知の3日後に飛び降り自殺しました。
佐々木裁判長は、2回目の検査では朝の出勤時よりも出勤後の午後五時ごろの検査の方が高い数値が検知されており、検知器の誤作動の可能性があると 指摘しました。そのうえで「会社は誤作動であると分かっていたはずなのに男性に伝えず、退職を強要するような対応をした」として自殺は「業務が原因」と結 論づけました。
京王電鉄は「裁判の当事者ではなく、判決の内容を詳しく見ていないのでコメントできない」としています。
認証番号:第1602306号
認証機関:全国社会保険労務士会連合会