労働・社会保険漏れの実態
社会保険は社員だけではなく、パートやアルバイトも加入が義務づけられています。
加入漏れにより、数百万の請求をされる事例が多数あります。
加入するのが分からなかった!ではすまされません。
また、マイナンバー導入により国税庁と連携をして加入状況をチェックされることもあります。
追徴金で倒産を招くことのないよう自社にて一度チェックされてはいかがでしょうか。
社会保険加入漏れによるリスクとは?
加入手続きを怠っていた事業所に対し、最大で過去2年分の保険料を徴収される恐れがあります。
仮に、従業員が退職していて、追徴金を支払わなければならなくなった場合、本来なら従業員と折半のところ全て会社が負担しなければならなくなることもあります。
また、追徴金だけでなく、罰則として、6か月以下の懲役や50万円以下の罰金を科されることもあります。このように未加入には高いリスクが伴います。
お金のリスクの他にも様々な手続きに制限がされていまします。
雇用保険未加入→助成金が受給できない、ハローワークに求人が出来ない
社会保険未加入→退職した従業員が年金受給の手続きをして、未加入が発覚し損害賠償を請求されるケースもあります。
このように、労働・社会保険の加入漏れには、金銭的にも会社の運営的にもリスクがでてきますので、必ず加入しましょう。
実際にどうすればよいのでしょう?
今から加入をお考えの中小企業の皆様
会社の資金繰りがうまくいかず今まで未加入だった経営者様、加入が義務だと分からなかった経営者様。
社会保険は会社の義務なので、今すぐにでも加入しましょう。
未加入だった期間の保険料は、遡りたいと希望されない限り原則として実際に加入手続きを行った月からが対象になることがほとんどです。
発覚してからのリスクを考えると、今すぐに加入をされた方が費用の負担も少なく済みます。
社会保険の未加入が発覚してしまった中小企業の皆様
行政等の調査により、未加入が発覚してしまった経営者様。
提示された追徴金を期日までに必ず支払いましょう。
また、今後、従業員を雇い入れた時は、必ず社会保険の加入手続きをしましょう。
保険の加入漏れを防ぐために
社会保険には、下記の表の種類があります。
正社員に限らず、パートやアルバイトも加入しなければなりません。
労働・社会保険の加入漏れには、多くのリスクがあるので、社会保険の未加入を防ぐために、新しく従業員を雇い入れた場合は必ず加入手続きをしましょう。
加入しなければならない労働・社会保険一覧
労働保険 | 雇用保険 | 労働者が、失業した場合に生活及び雇用の安定を図るため、また再就職の援助を行うことを目的とした給付制度 育児休業手当や介護休業手当なども雇用保険から支給になる |
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労働者災害補償保険 (労災保険) |
業務上の事故、通勤途中の事故でけがや病気になった労働者に対して給付を行う制度 | |
社会保険 | 厚生年金保険 | 民間企業で働く労働者の為の公的年金。被保険者(労働者)が老齢・傷害・死亡により賃金を喪失した場合、本人または家族が生活の安定のため年金として給付される制度 |
健康保険 | 被保険者(加入者)が保険料を払い、病気やけが、またはそれによる休業、出産や死亡といった場合に給付を受けられる制度 | |
介護保険 | 40歳以上になると被保険者として加入する保険です。40歳から64歳までの方は特定疾病により介護が認定された場合は介護サービスを受けることができます。65歳以上の方は市町村が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合、介護サービスを受けることができる制度 |
自社で加入手続きの処理をしようとしても、新規雇用、長期休暇、退職などあるたびに手続きをしなければならないため、労力や時間のコストが発生します。
さらに、どんなに加入手続きの手順書を作成し、チェック体制を設けても、回数を重ねるうちに確認が疎かになり、漏れが発生してしまいます。
社会保険業務を担当する従業員のコスト削減の為にも、煩雑な手続きは労務の専門家の社会保険労務士に依頼しましょう。