【年金・医療】年金法改正案 今国会での成立を断念

政府・民主党は、過去の特例措置で本来より高くなっている年金の支給額を引き下げることなどを盛り込んだ国民年金法の改正案について、今の国会での成立を断念、2012年10月分から引き下げられる予定だった年金は、当面、今の支給額が維持されることになりました。

政府は、過去の特例措置によって、本来より2.5%高くなっている年金の支給額を、今年10月から3年間かけて本来の水準に戻すための国民年金法の改正案を国会に提出していました。

しかし、野田総理大臣に対する問責決議が参議院で可決され、野党側が審議に応じない姿勢を示していることから、政府・民主党は、国民年金法の改正案を今の国会で成立させることを断念。これにより、当面、今の年金の支給額が維持されることになりました。

厚生労働省の推計によりますと、年金は、過去の特例措置により、平成12年の4月から今年3月末までに、合わせておよそ7兆円、本来より多く支払われており、このまま法案が成立しなければ、今年度は、さらに1兆円程度、本来より多く年金が支払われる見込みとなっています。