民主党の作業チームは、先の衆議院選挙で掲げた新たな年金制度について、必要な財源の試算を改めて行い、新年金制度についてまとめました。60年後の2075年度には、最大で消費税率10%に加えてさらに6.2%引き上げる必要があるなどとする内容となっています。
民主党は、所得に応じて年金額が決まる「所得比例年金」と、消費税を財源として所得が少ない人に年金額を上乗せする「最低保障年金」を設け、すべての人が月額7万円以上受け取れるようにする新たな年金制度について必要な財源の試算を今年2月に公表していました。
党の作業チームは、新たな人口推計がまとまったことなどを受け、「最低保障年金」を満額支給する範囲を広げるなどして改めて試算を行いました。試 算では、2016年度から新制度への移行を始めることを前提に、「最低保障年金」の支給範囲に応じて必要な財源を算出しています。
このうち、支給範囲を最も広げ、満額の7万円を支給する対象者を年収260万円以下とするなどとしたケースでは、60年後の2075年度に58兆7千億円、消費税率に換算すると、10%に加えて、さらに6.2%の引き上げが必要になるということです。
前回の試算と比べると、出生率が改善したことなどによりおよそ1%分財源が圧縮されています。一方、支給範囲を最も絞り、額支給する対象者を年収 60万円以下とする、などとしたケースでは、2075年度に、消費税率にすると、10%に加え、さらに3.5%の引き上げが必要になるとしています。
作業チームは、新たな年金制度の創設を次の衆議院選挙の公約に盛り込みたいとしており、近く党の全議員を対象にした会議に、試算を示す予定です。