厚生労働省は24日、社会保障審議会年金部会を開催し、厚生年金基金制度の廃止に向けた具体策を検討する有識者による専門委員会を設置しました。企業年金の一つで、厚生年金の一部を国に代わって運用する厚生年金基金制度の廃止に向けた論議が、本格的に始まります。
専門委は、神野直彦東京大名誉教授を委員長に9人で構成されます。11月に開く専門委の初会合で制度改革の原案を提示し、年内にも最終案をまとめる方針で、改革法案の来年の通常国会への提出を目指します。
厚労省は9月に厚年基金制度を廃止する基本方針を決定しました。多くの厚年基金は国から預かって厚生年金を運用する「代行」部分で積立不足が生じています。「代行部分の積立金不足(代行割れ)を公的資金でどこまで穴埋めするかが最大の焦点」(厚労省幹部)となります。