非正規雇用の保育士が増え、2011年度には全国の公私立保育所の85.9%で働いていることが全国保育協議会(東京)の調査で分かりました。非正規の保育士を雇用している公立保育所では2人に1人に達しており,私立に比べ圧倒的に多いことが分かります。地方自治体が厳しい財政状況から人件費抑制を進めた ためとみられます。子育て支援の現場で不安定な働き方が広がっていることに懸念の声も上がりそうです。
背景には早朝や夜間を含む長時間保育など保護者のニーズが多様化し、短時間パートの保育士を雇って対応せざるを得ない実態もあります。
調査は2011年10月から2012年2月にかけて実施。全国の認可保育所の約3分の1に当たる8205施設が回答しました。
非正規の保育士を雇用している公私立保育所は前回調査の06年度より8.2ポイント増え、勤務する保育士のうち「非正規雇用が70%以上」と答えた保育所 は、全体の9.4%で前回比4.5ポイント増加。公立だけで見ると6.4ポイント増えて12.7%に上った。私立では6.1%(2.9ポイント増)でした。
非正規化の進行と表裏一体で、保育サービスは多様になっている。調査では、「延長保育」を実施している保育所は9.8ポイント増の70.5%。「病児・病後児保育」は8.3%で4.5ポイント増えました。
協議会は「労働条件の厳しさに比べ、賃金面で恵まれているとはいえない」として、保育士の待遇改善が必要だとしています。