厚生年金と国民年金の公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3月1日に2012年10~12月期の運用損益が5兆1352億円の黒字になったと発表しました。運用利回りは4.83%のプラスでした。四半期で比較できる2008年度以降、過去2番目に大きい黒字になったそうです。日銀の追加金融緩和や経済対策の期待で2012年11月末からの円安・株高などによる国内株式や外貨建てで運用している外国資産の膨らんだことが考えられます。12月末時点の運用資産額は111兆9296億円で、9月末時点に比べ4兆2065億円増えています。
10~12月期の運用資産別の収益率は国内株式が16.71%、外国株式が13.78%、外国債券が13.62%と大きく上昇しています。国内債券は0.06%のマイナスでした。
しかしGPIFは年金の支払いが額が増え、取り崩しが進んでいます。2012年度は6.4兆円の取り崩しを予定しています。一方で4~12月期で 計3兆4949億円の運用益を上げています。2013年からは円安・株高も運用が好転される見通しがあり、厳しい年金財政にはプラスなりそうです。
GPIFは各資産の配分比率を決めています。国内債券の下限は59%、外国株式は上限が14%だ。12月末時点で国内債券が60%、外国株式は 12.9%と下限に近づいています。GPIFの審議役は3月1日、配分比率に関して「来年度に入ったら、できるだけ早く作業をしたい」とのことです。国内 債券を減らし、国内株式や外国資産の引き上げを検討していきます。