厚生労働省は3月19日、財政難が深刻な厚生年金基金制度を見直す、関連法案の概要を決めました。財政が健全な一部の基金については、最低限必要な積立金の1.5倍の資産があるなどの厳しい基準を設けた上で存続を容認します。この基準に該当するのは、約560基金のうち1割程度ですが、実際には他の年金制度に移行したり、解散を選択したりする基金も多いとみられ、存続するのは数十基金にとどまる見込みです。
厚労省は民主党政権下では制度全廃の方針を打ち出していましたが、自民党などの反対に配慮して一部基金の存続を認め、自民、公明両党と最終調整をしたうえで、4月中の国会提出を目指します。
法案概要によると、今後は基金の新設を認めず、解散時に母体企業が債務を連帯して負う仕組みは廃止し、施行から5年間は積立不足を抱える基金の解散を促進させる施策を導入します。また、5年後に存続基準を満たしていない基金には、厚労相が解散命令を発動できるようにするとのことです。