安倍総理大臣は4月19日、経済3団体のトップと会談し、人口減少の世の中で女性や若者が活躍できる社会の実現に向けた成長戦略の一環として、学生 の就職活動の開始時期について、会社説明会などを遅らせること、育児休暇への支援、女性役員の積極的な登用を経済界に要請しました。
安倍総理大臣は、人材育成強化の観点から、若者が学業に専念し、多様な経験ができる環境を整えるとともに、海外留学からの帰国者の就職環境の改善を図ることが重要だと述べました。
経済3団体のトップはそろって受け入れる考えを伝え、今の大学2年生の就職活動からスケジュールが変わることになりました。
2015年度卒業・修了予定者の就職活動から、会社説明会などの開始時期を3年生の3月に、また採用選考活動の開始時期を4年生の8月に後ろ倒しすることになりそうです。首相は大学改革の実行を要請するよう下村文部科学大臣に指示しました。
いまの就職活動のあり方そのものが、われわれにとってどれだけ効率的かを考え直すいいチャンスだ
などと述べ、経済3団体は前向きに取り組む考えのようです。
また、男女共に、仕事と子育てを容易に両立できる社会の実現に向けて子育て支援を巡り、首相は現在、最長で1年半となっている育児休暇について、希望すれば子どもが3歳になるまで取得できる環境を整備するよう求めました。
子供が3歳になるまでは、希望する場合は男女とも育児休業や短時間勤務をできるようにしていきたいとの考えを示し、育児休業からの職場復帰を推進する企業に対しては政府として財政上の支援を行うこととしました。
さらに、女性の地位向上に向けて、すべての上場企業が積極的に役員・管理職に女性を起用することを要請したうえで、役員に1人は女性を登用するよう求め、経済界側は、子育て支援や女性の地位向上についても、要請を踏まえて実現に努力する考えを示しました。
さらに、指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%程度とする政府目標を掲げました。