安倍首相は、経済の成長戦略に関する6月5日の演説で、先進医療について審査を外部の機関に委ねて速やかに認定を行い、範囲を拡大していく方針を打ち出しました。これと併せて保険外併用療養の範囲も拡大させ、最新の医療技術を一気に普及させるのが狙いとみられます。
日本の公的医療保険制度では、医療保険が適用される診療と適用されない診療を併せて行う混合診療は認められていませんが、厚生労働大臣が個別に安 全性や有効性を確認した先進医療については、例外的に保険外併用療養として、保険が適用される診療と組み合わせることが認められています。先進医療は現 在、医療機関から申請があった技術を対象に、安全性や有効性などを厚生労働省の「先進医療会議」が審査し、保険診療との併用を認めるかどうかを判断してい ます。
これに対して安倍首相は、外部の審査機関を活用することで審査を効率化、最新技術をすぐ先進医療に位置づけられるようにし、保険外併用療養の範囲を拡大する考えを示しました。
また、「現在の日本の医療費は40兆円ほど。1パーセントでも健康・予防サービスに振り向けられれば、4000億円もの新たな市場が生まれる」などと述べ、民間企業によるサービスを推進する考えも示しました。