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【その他】中小企業の資金繰り支援へ、「経営革新等支援機関」2102拠点を認定―経産省・金融庁

経済産業省と金融庁は2012年11月5日、8月に施行した中小企業経営力強化支援法に基づいた支援機関の第1号を認定しました。対象となるのは、税理士や公認会計士、地方銀行など2102の専門家や金融機関です。

この制度は、独自のノウハウに長けた支援のプロが国の認定を受けることで、中小企業基盤整備機構から知的財産の管理や海外展開などに詳しい製造業や商社のOBの派遣を受けることが可能になり、また信用保証協会から融資の保証料の引き下げを受けることが可能になります。これにより認定された「経営革新等支援機関」が、中小企業に、より詳しい助言を行うことができるようになる仕組みです。

同日、経産省内で開かれた認定式で、枝野幸男経済産業相は「適切な助言で、中小企業の潜在力を発揮させてほしい」と挨拶しました。今後は各地の商工会や商工会議所に認定対象を広げ、年度末には4000~5000拠点を支援機関にする予定です。

【労働経済】有給休暇の消化、正社員で2割どまり―連合総研調査

2012年11月5日に発表された労働問題のシンクタンクの連合総合生活開発研究所(連合総研)の調査の第24回「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査(勤労者短観)」で、年次有給休暇をおおむね消化できている正社員は約2割にとどまることが分かりました。契約社員やパートなどの非正規社員では約4割でした。連合総研は「正社員に比べて女性の比率が高いことが、影響しているのでは」と話しています。

調査は10月上旬、関東の1都3県と、近畿の2府4県に住む20~64歳の民間企業の従業員、2千人を対象にインターネットで実施されました。

連合総研によると、2011年度に有給休暇を付与されたと答えた約1600人のうち「全て取得」「おおよそ取得」と回答したのは、正社員では22.7%、非正規社員では42.1%でした。

有休の取得目標を設定している企業の従業員は「全て取得」「おおよそ取得」と答えた割合が35.8%だったのに対し、目標がない企業の従業員では18.3%でした。今回の調査では、この「年次有給休暇の取得状況」の他、勤労者の景況感や物価、仕事に関する意識などの定点調査、「時間外労働時間の状況と時間管理」、「勤労者の権利認知」について調査されました。この調査の詳細な結果については12月中旬に調査報告書として連合総研のホームページにて公表される予定とのことです。

【労働法】労働契約締結時の労働条件の明示 ~労働基準法施行規則が改正されました~

有期労働契約の継続・終了について予測可能性と納得性を高め、紛争の防止につなげるため、労働基準法施行規則第5条が改正され、労働契約締結時に、契約期間とともに「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準」も書面の交付によって明示しなければならない事項となります(平成25年4月1日から施行)。

モデル労働条件通知書
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/meiji/dl/h241026-2-betten.pdf

【年金・医療】財政難の厚年基金5年で解散、10年かけ制度廃止 救済の線引き曖昧 自助努力なし崩しも

厚生労働省は11月2日、厚生年金基金制度の改革案を公表しました。財政難に陥っている基金を5年以内に集中的に解散させたうえで、10年かけて制度を廃止するといいます。基金が公的年金部分の積み立て不足を自助努力で解消できない場合に、会社員や企業が納めた公的な厚生年金保険料で穴埋めし、自主的な解散を促します。健全な基金や自民党はこの案に反対しており、厚労省案が実現するかは不明です。

同省は審議会で成案を2012年末までにまとめ、2013年の通常国会に関連法案の提出を目指します。その中には中小企業が加入しやすい新しい確定拠出年金の設立も盛り込みます。

これまでは年金受給者に配慮し、基金解散を厳しく規制してきましたが2012年2月に起きたAIJ投資顧問の年金消失事件を機に、厚年基金制度をこれ以上存続させることは難しいと判断したようです。

改革案は、当初の5年間を集中処理期間と位置づけたうえで、財政難の基金の解散を促します。現行制度では公的年金部分の積み立て不足を解消しない限り解散を認めていません。解散したくても解散できない基金が多いのが現状です。

厚年基金の運用は本来、自己責任です。しかし今回の改正では、最終的には厚生年金保険料で穴埋めせざるを得なくなることが考えられます。過去に公的年金部分を国に返上した厚年基金は自己負担で損失を補填してきました。中小企業が集まる総合型基金の中には、不足額の穴埋め負担で母体企業の連鎖倒産が起きた例もあるほどです。今回の改正案は基金のモラルハザードを助長しかねません。

財政が健全な基金は、10年かけて確定給付企業年金や確定拠出企業年金への移行を求められます。

OB年金の減額基準の緩和は今秋以降に検討する項目としていましたが、今回の改革案には盛り込まれませんでした。

【労働経済】厚生労働省、平成24 年「就労条件総合調査」の結果を発表

厚生労働省は11月1日に平成24 年「就労条件総合調査」の結果を発表しました。
厚生労働省HP「平成24年就労条件総合調査結果の概況」へ

【調査結果の一部】
■労働時間
1日の所定労働時間は、1企業平均7時間44分(前年7時間43分)、労働者1人平均7時間45分(同7時間44分)となっている。
週所定労働時間は、1企業平均39時間22分(同39時間23分)、労働者1人平均39時間03分(同39時間01分)となっている。

■年次有給休暇
平成23年の労働者一人当たりの平均取得日数は9.0日(同8.6日)で、取得率は49.3%(同48.1%)だった。
前年比で1.2ポイント上昇し、2年連続で伸びだが、政府が目標としている「2020年までに70%」には程遠い結果となった。

■一律定年制における定年後の措置
一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度若しくは再雇用制度又は両方の制度がある企業割合は92.1%(前年93.2%)となっている。
制度別にみると、「勤務延長制度のみ」の企業割合は11.4%(同9.3%)、「再雇用制度のみ」の企業割合は71.6%(同73.2%)、「両制度併用」の企業割合は9.1%(同10.7%)となっている。

■賃金の決定要素
基本給の決定要素(複数回答)は、管理職では「職務・職種など仕事の内容」(72.5%(前回平成21 年77.1%))、管理職以外では「職務遂行能力」(68.7%(前回67.5%))が最も多くなっている。
平成23 年(又は平成22 会計年度)中に賞与を支給した企業(83.1%)の賞与の主な決定要素は、半数以上の企業が「業績・成果」を賞与の主な決定要素としている(管理職54.1%(前回平成21 年57.6%)、管理職以外51.0%(前回58.9%))。

※「就労条件総合調査」は、日本の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的としている。対象は常用労働者30 人以上の民営企業で、平成24 年1月1日現在の状況について1月に調査を行い、調査対象6,128 企業のうち4,355 企業から有効回答を得た。

【年金・医療】退職手当15%減の法案閣議決定 国家公務員、年金新制度も

政府は2012年11月2日、国家公務員の退職手当を約15%減らす法案を閣議決定しました。国家公務員の加入する共済年金で上乗せ給付している 「職域加算」の廃止後に新たな年金制度を設けることも盛り込みました。今国会に提出し、退職手当は2013年1月、新年金制度は共済年金と民間の厚生年金を統合する15年10月の施行を目指します。

退職手当と年金を合わせた退職給付が、民間企業の平均より403万円高いことから、退職手当を15年7月までに3段階で引き下げ、官民格差を是正します。天下りあっせん禁止で増えた高年齢層の退職を促すため、早期退職者の割増制度の対象を拡充する措置を盛り込みました。

【労働経済】9月の製造業の残業時間4.2%減、2か月連続でマイナス

厚生労働省が31日に発表した9月の毎月勤労統計調査(速報)によると、事業所規模5人以上の製造業の所定外労働時間は前年同月比4.2%減りました。減少は2か月連続。製造業の所定外労働時間は足元の景気動向を示しており、最大の輸出先である中国の景気減退などを背景に生産活動が縮小していることが響いています。

製造業の所定外労働時間は前月と比べても2.4%減りました。前月比でマイナスとなるのは3か月連続です。製造業は新規求人も減少傾向で、所得環境・雇用の悪化が個人消費の下押し要因となることが懸念されます。

残業時間減少の影響は給与にも現れ始めました。所定外給与は前年同月比0.8%減の1万7764円となりました。前年同月の水準を下回るのは、2011年8月以来13か月ぶり。基本給や家族手当などを含む労働者1人当たりの「所定内給与」は24万3502円で、前年同月比で横ばいでした。

【年金・医療】長野の厚生年金基金 資産損失で賠償請求へ、解散も検討

AIJ投資顧問(東京・中央)による年金詐欺事件で、資金が未公開株に投資され、多額の損失を出した長野県建設業厚生年金基金(長野市)は31日、未公開株の運用を委託していたソシエテジェネラル信託銀行など3社に、基金として損害賠償を請求する方針を固めました。請求額は未定で、応じられない場合は提訴も検討するとのことです。また、基金の解散を検討していることも明らかにしました。厚年基金の制度改革の議論を踏まえて時期などを詰めます。

賠償請求を検討するのは、ソシエテ信託銀、ユナイテッド投信投資顧問、スタッツインベストメントマネジメントの3社(いずれも東京)。3社は、ファンド運用会社「アール・ビーインベストメント・アンド・コンサルティング」(東京)などが選んだ未公開株で68億円を運用し、資産は6月時点で22億円に目減りしました。基金の中川信幸理事長は「3社は監視を怠った」と会見で主張しました。

金融庁は、10月16日、ファンド会社への監視を怠ったなどとして3社に一部業務停止命令を出しました。県警も、企業に上場の予定があると虚偽の説明をし、同基金の資金をだまし取った疑いがあるとして、10月16日にアール社を詐欺容疑で捜索しました。

長野の基金を巡っては捜査当局が横領容疑で元事務長を追及。脱退を望む加入企業が相次いでおり、基金の意向に沿って解散が認められるかどうか不透明な面もあります。

【その他】「大量雇用変動届」の提出状況および「再就職援助計画」「大量雇用変動届」の提出に関する指導・相談件数(平成24年9月分)

厚生労働省は、経済的な事情等で1カ月間に30人以上の従業員を退職させざるを得ない場合に、事業主が事前に公共職業安定所長へ出すことが義務付け られている「大量雇用変動届」の提出状況と、「再就職援助計画」「大量雇用変動届」の提出に関する指導・相談件数を取りまとめ、公表しました。

○「大量雇用変動届」の届出事業所数: 175 事業所(前月比 1カ所の増加)
離職者数: 13,425 人( 同 4,099人の増加)

○「再就職援助計画」提出に関する指導件数: 1件
相談件数: 208件

○「大量雇用変動届」提出に関する指導件数: 8件
相談件数: 53件

詳しくは、厚労省サイトをご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002n2lh.html