【働き方改革】派遣労働者の年齢層がアップ、40歳から44歳層が最多

厚生労働省から、「平成29年派遣労働者実態調査の概況」が公表されました(平成30年10月17日公表)。
この調査は、派遣労働者の就業実態及び事業所における派遣労働者の受け入れ状況等を把握することを目的として、平成29年10 月1日現在の状況について実施されたものです(前回は平成24年に実施)。
今回の調査対象は、事業所規模5人以上の事業所約17,000か所(有効回答率は59.5%)と、そこで働く派遣労働者約14,000人(有効回答率は62.0%)でした。

調査結果のポイントは、次のとおりです。
〔事業所調査〕
○派遣労働者が就業している事業所は全体の12.7%
○派遣労働者を就業させる理由(3つまでの複数回答)は「欠員補充等必要な人員を迅速に確保できるため」が73.1%で最も高い
○就業している派遣労働者に対して、過去1年間に、教育訓練・能力開発を行った事業所の割合は59.0%
○今後の派遣労働者の割合の方針は、派遣労働者が就業している事業所では、「割合を減らす」は19.3%、「割合を増やす」は7.1%
〔派遣労働者調査〕
○年齢階級別では「40~44 歳」が16.5%と最も高い
○現在行っている派遣業務(複数回答)は「一般事務」が23.2%と最も高い
○派遣労働者に対する諸手当等、各種制度の状況をみると、「通勤手当」50.8%、「賞与・一時金」19.5%、「昇給」15.0%で支給・実施があった
○派遣元への要望は「賃金制度を改善してほしい」が55.8%、派遣先への要望は「派遣契約期間を長くしてほしい」が29.9%と最も高い
○派遣労働者の今後の働き方に対する希望について、派遣労働者、派遣労働者以外等のいずれかで働きたいか訊いたところ、「派遣労働者以外の就業形態で働きたい」が48.9%、「派遣労働者として働きたい」が26.8%
○「派遣労働者以外の就業形態で働きたい」と回答した者のうち80.8%は「正社員として働きたい」としている。

今回の調査を見ると、40歳から44歳の派遣労働者が最も多く、全体の約2割弱(16.5%)となっていることが目立ちます。平成24年の前回調査で最も多かったのが35歳から39歳だったので、その年齢層の方がそのまま派遣労働者として就業しているという実態が明らかになっています。
また、派遣労働者の約5割が派遣以外の就業を望み、そのうち約8割が「正社員」を希望していることにも注目です。

その他、派遣労働者の約5割が「賃金制度を改善してほしい」と希望していることから、賃金に関する不満が根強いこともうかがえます。

このような実態を考えると、年齢を問わず、派遣労働者の正社員化を推進するような政策(たとえば助成金の拡充)などが実施されるかもしれませんね。

調査結果については、こちらをご覧ください。
<平成29年派遣労働者実態調査の概況>
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/haken/18/index.html