人材確保のため、賃金以外の労働条件の改善に取り組む企業が増加(厚労省調査)

厚生労働省から、「労働経済動向調査(2019年8月)の結果」が公表されました(令和元年(2019年)9月19日公表)。

この調査は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的とするものです。

四半期ごとに実施されていますが、今回は特別項目として「労働者不足の対処方法」についても調査が行われています。
(今回の集計対象→主要産業の規模30人以上の民営事業所のうち、有効回答があった2,728事業所の回答を集計)

労働者の過不足については、通常の調査で、正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過という結果が明らかにされています。

・正社員等労働者の過不足→33期連続で不足超過

・パートタイム労働者の過不足→40期連続で不足超過

このような状況を受けて特別項目として実施された「労働者不足の対処方法」の調査については、次のような結果となっています。

●現在、労働者が不足していて、かつ、過去1年間に何らかの「対処をした」事業所の割合は70%、今後1年間に「対処をする予定」の事業所の割合は66%。
その対処方法(複数回答)は過去1年間、今後1年間とも「正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加」の割合が最も多い(過去1年間:63%、今後1年間:61%)。

●今後1年間の対処方法を前回(2018年8月)調査と比べると、「在職者の労働条件の改善(賃金以外:休暇の取得促進、所定労働時間の削減、育児支援や復帰支援の制度の充実など)」で上昇幅が最も大きい(前回:24%、今回:34%)。
その他、「在職者の労働条件の改善(賃金)」(前回:29%、今回:33%)、「離転職の防止策の強化、又は再雇用制度、定年延長、継続雇用」(前回:34%、今回:38%)などでも上昇。

人材を確保するため、休暇の取得促進、所定労働時間の削減、育児支援や復帰支援の制度の充実など「賃金以外の労働条件の改善」に取り組む企業が前年から10ポイント増加し34%に上るという結果になっていることが目立ちます。

このことは、報道でも取り上げられています。

人手不足への対象方法として「賃金以外の労働条件の改善」に取り組む企業が増加しているということで、人材の確保のためには、そのような取り組みが欠かせないことがうかがえます。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<労働経済動向調査(2019年8月)の概況>
・報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/1908/dl/siryo.pdf

・概況全体版
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/1908/dl/roudoukeizaidouko.pdf