「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図るための制度で、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。
厚生労働省は、毎年度、これらの制度の利用状況などを取りまとめ、公表しています。
<平成30年度の状況のポイント>
●総合労働相談件数、助言・指導の申出件数、あっせん申請の件数いずれも前年度より増加。
総合労働相談件数は111万7,983件で、11年連続で100万件を超え、高止まり
・総合労働相談件数は、111万7,983件(前年度比1.2%増)
→うち民事上の個別労働紛争相談件数は、26万6,535件(同5.3%増)
・助言・指導申出件数は、9,835件(同7.1%増)
・あっせん申請件数は、5,201件(同3.6%増)
●民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数の全てで、「いじめ・嫌がらせ」が過去最高
・民事上の個別労働紛争の相談件数では、82,797件(同14.9%増)で過去最高
・助言・指導の申出では、2,599件(同15.6%増)で過去最高
・あっせんの申請では、1,808件(同18.2%増)で過去最高
厚生労働省では、今回の施行状況を受けて、総合労働相談コーナーに寄せられる労働相談への適切な対応に努めるとともに、助言・指導及びあっせんの運用を的確に行うなど、引き続き、個別労働紛争の未然防止と迅速な解決に向けて取り組んでいくとのこです。
「いじめ・嫌がらせ」が年々増加し、個別労働紛争のトップになっているということは、知っておきたいところです。
このような状況をみると、各企業において、各種ハラスメントの防止対策などに万全を期す必要があるといえそうですね。