令和2年10月13日、次の訴訟について、最高裁判所の判決がありました。
①大阪医科(薬科)大の元アルバイト職員が、賞与(ボーナス)が支給されないのは労働契約法旧20条(現パートタイム・有期雇用労働法8条)が禁止する不合理な格差(待遇差)に当たるとして同大を訴えた訴訟……二審の大阪高裁は、正職員(正社員)の6割は支給すべきと判断
②東京メトロ子会社メトロコマースの元契約社員らが、退職金が支給されないのは労働契約法旧20条が禁止する不合理な格差に当たるとして同社を訴えた訴訟……二審の東京高裁は、正社員の4分の1は支給すべきと判断
「同一労働同一賃金」の実現に向けた働き方改革関連法による旧パートタイム労働法・労働契約法の改正が、大企業において令和2年4月に施行されましたが、その施行以来、初めての最高裁の判決があるということで、その判断に注目が集まっていました。
そのポイントは、次のとおりです。
●①の賞与の格差について
・賞与がない労働条件について「不合理な格差に当たらない」と判断。
・正職員(正社員)の6割のボーナスは支給すべきとした大阪高裁判決を変更。原告側の賞与についての上告を退けた。
●②の退職金の格差について
・退職金がない労働条件について「不合理な格差に当たらない」と判断。
・正社員の4分の1は支給すべきとした東京高裁判決を変更。原告側の退職金についての上告を退けた。
ひとまず、速報として、ポイントをお伝えしました。
詳細については、機を見て、改めてお伝えします。
なお、今月15日には、日本郵便を相手に同社の契約社員らが起こした3件の格差是正訴訟についても、最高裁判所の判決が下されることになっています。
当日、そのポイントもお伝えします。
〔参考〕同一労働同一賃金の実現に向けた法改正について、厚生労働省が特集ページを設けています。
令和2年10月の一連の最高裁の判断も、今後盛り込まれていくと思われますが、ひとまず、基本的なルールなどをご確認ください。
<同一労働同一賃金特集ページ(厚労省)>
≫ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html