過去にうつ病と診断されたことのある女性(当時25歳)が外食チェーンに入社して3か月後に自殺したことを巡り遺族が労災認定を求めた訴訟で、東 京地裁は9月17日、「仕事で過剰な心理的負担があった」と判断し、遺族補償などの支給を認めなかった八王子労働基準監督署の処分を取り消す判決を言い渡 しました。就労前に精神障害を患っていた人が自殺したケースで、裁判所が労災と認めたのは初めてとみられるということです。
判決によると、女性は2006年8月に飲食店の店舗責任者になりましたが、アルバイトの多くが同時期に退職を申し出たため、対応に苦慮。12月に自殺しました。
厚生労働省の基準では、仕事以外の原因で精神疾患があった場合は、極度の長時間労働など「特別な出来事」がなければ労災認定されません。女性は入 社の3年前にうつ病と診断されたことがあったため、国側は「自殺の原因となった精神障害は、就職前に発症したものだ」と反論していました。