大阪などの印刷会社で従業員らが相次いで胆管がんを発症した問題で、厚生労働省は、行政の担当者だけでは労災認定の判断が難しいとして、がんの専門家などによる検討会を新たに設け、審査を急ぐことになりました。
この問題は、大阪、東京、それに宮城県など少なくとも5つの都府県の印刷会社で、インクの洗浄作業などに関わっていた従業員ら合わせて24人が相次いで胆管がんを発症したことが明らかになったもので、このうち従業員や遺族など18人が仕事に関連して胆管がんになったとして、労災を申請しています。
胆管がんでこれまでに労災と認定された事例はなく、原因と指摘されている印刷会社で使われた洗浄剤と胆管がん発症との因果関係も明らかになっていません。
このため厚生労働省は、行政の担当者だけでは労災にあたるかどうかを判断するのは難しいとして、がんや化学物質の専門家などによる検討会を新たに設け、審査を進めていくことになります。