大阪市中央区の印刷会社「サンヨー・シーワィピー」の元従業員ら17人が相次いで胆管がんを発症した問題で、検察は16日、会社と社長を労働安全衛 生法違反(産業医の未選任など)罪で略式起訴しました。同社では、2006年までの15年間に、インクの洗浄作業などをした従業員が相次いで胆管がんを発 症し、死亡した9人を含む17人の労災が認められています。
検察は、会社に、従業員が胆管がんを発症した責任がないか、業務上過失致死傷罪の適用も検討しましたが、洗浄剤の化学物質が胆管がんを引き起こす ことは、当時十分に知られていなかったなどとして、業務上過失致死傷などの罪で刑事責任を問うことはできないと結論づけました。
起訴状によると、同社は2012年4月15日までの1年間、従業員50人以上の事業所で義務付けられている産業医などの選任を怠り、労働者の健康 被害を防ぐ対策を検討する衛生委員会を開かなかったとされています。大阪労働局などによると、同社は2001年8月に会社合併で従業員が50人を超えまし たが、大阪中央労働基準監督署が2012年5月に是正勧告するまで違法状態を放置していました。