【年金・医療】社会保障改革、国民会議の開催めど立たず

消費増税法と同時に成立した「社会保障制度改革推進法」が22日施行され、民主、自民、公明3党の合意に基づき年金や医療など今後の社会保障制度の在り方を検討する「社会保障制度改革国民会議」の設置が可能となります。しかし、自民党は9月8日に会期末を迎える今国会中の衆院解散・総選挙を求め、国民会議の設置は次期衆院選後に先送りする構えです。最低保障年金制度などマニフェスト政策の実現に取り組む姿勢を示したい民主党は速やかに「国民会議」を設置し、議論に入りたいと主張していますが、めどは立っていません。

消費増税など税と社会保障の一体改革をめぐる3党合意は、社会保障改革について「自助、共助、公助を適切に組み合わせる」など方向性を示すのにとどめ、 年金や医療制度は「あらかじめ3党で協議する」としました。推進法は国民会議の設置期間を法施行から1年以内と定めており、設置が遅れれば、それだけ議論できる期間が短くなります。

22日に開かれた民主党の厚生労働部門会議では、出席者から「『国民会議』はきょうから1年以内に結論を出すことになっており、自民党のような悠長な話はしていられない。社会保障制度は政局抜きに議論すべきだ」などという意見が出され、「国民会議」の早期の設置に向け、自民・公明両党に協力を求めていく ことを確認しました。また、部門会議では、来年度・平成25年度予算案の概算要求に関連して、高齢化の進展に伴って、社会保障費が増加する分は削減の対象 とすべきではないという意見が出されました。