AIJ投資顧問による年金資産詐欺事件で、同社が別の複数の年金基金からも計約100億円をだまし取った疑いが強まったとして、警視庁捜査2課が近く、社長の浅川和彦被告(60)=詐欺罪などで起訴=ら3人を詐欺容疑で再逮捕する方針を固めたことが29日、捜査関係者への取材で分かりました。3人はこれまでに東京や横浜、長野など全国の6つの年金基金から計100億円を詐取したとして逮捕、起訴されており、最終的な立件額は200億円を超える見通しとなり ました。
捜査関係者によると、他に再逮捕されるのは、同社取締役の高橋成子(53)、傘下のアイティーエム証券(ITM)社長の西村秀昭(56)の両被告=ともに同罪などで起訴。
3人は平成21年4月以降、AIJの年金資産運用が好調とする虚偽の資料を示すなどして、価値を大幅に水増ししたファンド(投資信託)商品を複数の年金基金に販売し、約100億円をだまし取った疑いが持たれています。
この時期、資産運用が悪化していたAIJは、顧客の年金基金から解約希望が相次ぎ、新規顧客の資産を運用せずに解約料に充てる自転車操業が常態化。3人は依然、容疑を否認していますが、捜査2課は、約100億円も運用に回されず、解約を希望する基金への解約金にあてていたとみて、調べを進める方針です。