【年金・医療】障害年金手続きスタート、早めの請求を―東日本大震災

東日本大震災から1年半を迎える2012年9月11日、被災によるけがや病気で障害を負った人が「障害年金」を受給するための申請が順次始まります。障害の認定が、障害の程度が固定化しているかを判断するため、原則として初めて医師の診察を受けた「初診日」から1年6カ月後と定められているためです。しかし、震災直後で初診日のカルテが残されていないケースもあり、手続きが混乱することも予想されています。

障害年金の申請に必要な医師の診断書などが、震災直後の病院や診療所・仮設の医療機関の混乱した状況で散逸したり所在が不明になるなどし、初診日が確認できないケースが想定されます。

こうした場合、レシートや診察券の記録などで「客観的に初診日を証明していくことになる」(厚生労働省年金局事業管理課)とのことです。社会保険労務士総合研究機構の深澤理香氏は「震災の混乱は、認定の際に十分加味されるだろうが、時間とともに、証明しづらくなる恐れもある」と、早めの請求を呼びかけています。

障害年金は、傷病による障害で仕事や生活に支障がある場合に支給される年金。年金制度への加入や一定の保険料納付割合を超える必要がありますが、 老齢年金と異なり、若年者でも受給できます。障害の程度によって年金額は異なるが、2級の基礎年金額(平成24年度)は78万6500円となっています。