【労働経済】来春の高卒求人が0.75倍に改善

厚生労働省は12日、採用選考が16日に解禁される来春卒業予定の高校生の求人・求職状況(7月末時点)を発表しました。就職希望の生徒1人に平均何件の求人があるかを示す求人倍率は、東日本大震災の復興需要などで、去年の同じ時期に比べて0.07ポイント改善しました。昨年は東日本大震災の影響で低迷した岩手、宮城、福島の被災3県では、ほぼ倍増となりました。

求人数は14.5%増の14万5893人。昨年は震災の影響を受け、採用を抑制する企業が相次ぎました。しかし今年は、リーマン・ショック以降、採用を控えてきた企業のうち、景気回復で再開に転じたところも出てきて、2桁増となりました。一方、求職者数は3.4%増の19万3242人でした。

中でも岩手、宮城、福島の3県では、震災の復興需要で、建設業やサービス業などの求人が大幅に増えていて、求人倍率は、宮城県が0.93倍と0.52ポイント改善したほか、岩手県が0.61倍で0.28ポイント、福島県が0.60倍で0.29ポイント改善しました。3県について業種別にみると、建設が2~3倍、水産加工などの食料品製造が3倍前後に増えました。このほか「警備や宿泊も好調」(岩手労働局)、「仙台を中心に小売業の求人が伸びている」 (宮城労働局)とのことで、当初は1年契約の求人が目立っていましたが、現在は正社員が増えています。 

しかし、求人倍率が1倍を上回ったのは、東京都や愛知県など7つの都府県にとどまっています。12道県で0.5倍を下回っていて、最も低い沖縄は0.17倍でした。 

厚生労働省は「ハローワークを通じて求人の開拓を進め、就職活動を支援したい」と話しています。