【年金・医療】積み立て不足の厚年基金、金融支援を要請 厚労省有識者会議

厚生労働省は2012年6月12日、AIJ投資顧問による年金消失問題を受け、厚生年金基金制度の問題点を話し合う有識者会議を開き、積み立て不足が深刻な厚年基金から意見を聞きました。厚年基金側は、積み立て不足を抱える年金基金に加入する中小企業に対し、政策金融での支援や銀行に貸し渋りをしないように求めました。

有識者会議には、繊維業の尾西毛織厚年基金とタクシーの日本交通連合厚年基金が参加し、意見を述べました。尾西毛織は加入者が300人で、受給者が1800人になり、積立金を取り崩して年金を支給している現状を説明しました。「数年で積立金が枯渇してしまう」と窮状を訴えました。

日本交通連合は当局が解散をなかなか認めないために、「苦しんでいる基金が多い」と述べました。日本総研の翁百合氏は、「解散できないことが(積み立て不足問題の)ネックになっており、先送りせずに処理していくことが重要だ」と指摘しました。