厚生労働省は14日、2012年版の労働経済白書を発表しました。白書の副題は「分厚い中間層の復活に向けた課題」です。単身世帯で年収300万~600万円、二人以上世帯で500万~1000万円の中所得世帯の割合は2009年に48.1%と、1999年より2.9ポイント低下。一方、年収がこれより少ない低所得世帯は09年で34.1%と、8.6ポイントも上昇しました。
所得減少の要因に非正規労働者の増加を挙げ、人件費削減が消費の伸び悩みを招き、成長の足を引っ張った可能性があると指摘しました。11年の非正規労働者は前年比46万人増の1802万人で、雇用者全体の35.1%(前年比0.7ポイント増)となりました。
また、今後も円高が続いた場合、製造業の約20%の企業が賃金・雇用調整をすると答えました。具体的には従業員の賞与や所定外労働時間の削減を検討します。