【年金・医療】三井厚労相、高齢者の医療費負担2割に引上げ案は急がずに

三井厚生労働相は2012年10月2日に記者会見し、現在1割に据え置いている70~74歳の医療費自己負担割合を2割に引き上げることについて 「性急にやるべきものではない」と述べました。民主党が看板政策として掲げる最低保障年金の創設と後期高齢者医療制度の廃止は、自民・公明と設置する社会保障制度改革国民会議の議論に委ねる方針を示しました。

70~74歳の医療費自己負担割合は、法律では2割となっていますが、毎年2000億円の予算を投じて1割に据え置いています。岡田克也副総理や小宮山洋子前厚労相は2013年度からの引き上げに意欲を示していました。

13年度の予算編成で本来の2割に戻すのかが焦点となっています。ただ三井厚労相は「消費増税の負担、負担で、国民は納得がいかないだろう。世代間の公平も必要だが、簡単に上げる問題ではない」と語り、引き上げに慎重な姿勢を示しました。

社会保障と税の一体改革で積み残しになっているテーマは国民会議で議論します。最低保障年金は民主党の看板政策ですが、自民党や公明党は反対しています。また、民主党は75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の廃止をめざしているのに対し、自公両党は存続を主張しています。

厚労相は最低保障年金に触れ「民主党と野党とでは違うところが多々あり、国民会議で議論しないといけない」と指摘しています。後期高齢者医療制度の廃止は「地方自治体には定着しているから続けるべきだとの意見があり、野党とも相談したい」と自公両党との妥協点を柔軟に探る意向を示しました。

厚生年金基金制度を将来的に廃止する方針に、基金側が反発していることについて厚労相は「基金の財政は大変深刻で、将来的に廃止する方針は変わらないが、丁寧に議論を進めていきたい」と述べました。