【年金・医療】協会けんぽ医療費が12月中旬にも枯渇 借り入れ実施方針

中小企業従業員の健康保険を運営する全国健康保険協会(協会けんぽ)が支払う医療費が12月中旬にも枯渇する見通しであることが10月28日、厚生労働省の調べで分かりました。赤字国債を発行するための特例公債法案が成立せず政府が予算執行抑制を続け、協会けんぽに対する補助金支出を見合わせているためです。

医療費の枯渇時期の予想は、インフルエンザなどの感染症の流行で新たに増大する医療費を想定していません。このため厚生労働省は「枯渇が早まることもありうる。医療費の推移を見守りたい」(厚労省幹部)として、早ければ11月中にも枯渇する可能性もあるとみています。

協会けんぽから病院への医療費の支払いが滞ると、医療費の3割を自己負担している協会けんぽ加入者らが全額負担しなければならない事態に陥る可能性があることから、協会けんぽは銀行からの借り入れ方針を決めました。補助金が滞ることが原因の借り入れは初めてで、借金の利子は加入者が負担することになります。