【年金・医療】保険指定2病院、3月に取り消し 豊岡会不正受給

医療法人「豊岡会」(愛知県豊橋市)による診療報酬不正受給問題で、厚生労働省東海北陸厚生局は2012年12月3日、健康保険法に基づき豊岡会が経営するはまなこ病院(浜松市)と岡崎三田病院(愛知県岡崎市)の保険医療機関の指定を来年3月1日付で取り消すと発表しました。2病院は原則5年間、保険診療ができず、医療費は全額、患者の自己負担となります。

豊岡会は3日、豊橋市で記者会見し、2病院を売却するため複数の医療法人と交渉していることを明らかにしました。

売却により新たな病院として保険医療機関の指定を受け直すためで、鈴木道生理事長は「患者と家族におわびする。経営改革に努め、今後も患者が保険診療を受けられるよう対処したい」と謝罪しました。

厚生局によると、2病院は産休の看護師が出勤しているなどとした虚偽の届け出をし、看護師数を水増しして診療報酬を不正請求していました。

厚生局が精査した結果、2006年からの5年間で不正に請求、受給した額は、はまなこ病院で約4億8千万円、岡崎三田病院で約15億8千万円に上っています。

豊岡会によると、2病院に加え、浜松とよおか病院(浜松市)と豊橋元町病院(豊橋市)の計4病院が、書類の記載ミスなどにより過剰に受け取った診療報酬も計約20億円に上るといいます。

今年3月、診療報酬で過去最大規模となる約50億円の不正・過剰受給が発覚、厚生局が豊岡会を調べていました。