【労働経済】緊急雇用事業 委託のNPO法人、137人分の給与払えず

東日本大震災で被災した岩手県山田町から国の緊急雇用事業の委託を受けているNPO法人「大雪(だいせつ)りばぁねっと。」(北海道旭川市)が、本年度事業費約7億9000万円のほとんどを既に使い切り、地元の雇用者137人に12月分給与を支払えないことが2012年12月11日、分かりました。 事業費について町と大雪側の見解が食い違っており、町は詳しく調べています。

関係者によると、大雪は津波の行方不明者の捜索や防犯パトロール、町内の銭湯運営などをしています。本年度は事業費7億9000万円のうち、人件費約4億5000万円、リース料など約3億3000万円の計画でした。12月分給与は137人約2700万円となっています。

12月上旬段階で、本年度予算残高は約75万円しかなく、町は1億6000万円を増額する補正予算案を町議会12月定例会に提出予定でしたが、10日の町議会全員協議会で反発を受け見送りました。

町は使途を明確にした書類の提出を大雪側に求めており、佐藤信逸町長は「現在、詳しく調査している」と述べました。

大雪の岡田栄悟代表理事は「年度当初から事業費は不足すると伝えており、年度内の補正予算を当てにしていた」と説明、「使い込みはない。雇用を守るため町と協議したい」と話しているということです。