厚生労働省は12日、過去3年間に職場でパワーハラスメント(パワハラ)があったと回答した企業が32%、パワハラ相談を1件以上受けた企業は45.2%に上ったとする調査結果を発表しました。労働局に寄せられる職場のいじめや嫌がらせに関する相談件数がここ数年で急増していることを受けた調査で、厚労省による全国調査は初めて。
過去3年間にパワハラを受けたとする人は全体の25.3%に上りました。うち46.7%が会社への相談など対応策を「何もしなかった」と回答。半数近くが悩みを抱え込んでいる実態も浮き彫りになりました。「同僚や上司に相談した」人は27.2%で、「社内の相談窓口に相談した人」はわずか1.8%と、会社がパワハラの実態を把握していない実情も明らかになりました。
パワハラをした人と受けた人の関係は、「上司から部下へ」が77.7%、「先輩から後輩へ」が15.7%、「正社員から正社員以外へ」が10.6%などとなっています。
また、パワハラの内容は、「精神的な攻撃」が55.8%、「過大な要求」が28.7%、「人間関係からの切り離し」が24.7%などとなっています。
リストラによる人員削減や企業間競争の激化などで、職場環境が悪化していることがパワハラ発生の背景にあると考えられます。厚労省は結果を踏まえ、今後の対策に反映させる考えです。