厚生労働省の調査で、過去2年間、国民年金の保険料を一度も支払わなかった滞納者は、加入者の26%余りに上ることがわかりました。これまでで最も多いということです。
国民年金について、厚生労働省は、3年おきに実態調査を行っており、このほど去年3月時点の加入者を対象にした調査結果を公表しました。それによりますと、平成21年4月から去年3月までの2年間、月額1万5千円前後の保険料を一度も支払わなかった滞納者は455万1000人で、加入者全体に占める割合は26.2%に上りました。これは、前回の調査より2.6ポイント増え、調査を始めた平成8年以降、最も多いということです。
支払わない理由を尋ねたところ、「保険料が高く支払うのが困難」が74%で最も多く、次いで、「年金制度の将来が不安・信用できない」が10%でした。また、「保険料が高く、支払うのが困難」と答えたのは、世帯の所得が1000万円以上の人でも56%で、最も多くなっています。
一方、学生であることや所得が低いことを理由に、保険料の全額免除や支払いの猶予を受けている人の割合は、前回の調査を2.7ポイント上回る25.2%で、対象を広げていることもあり、最も多くなりました。
厚生労働省は「保険料を支払える滞納者には督促をする一方、保険料を支払えない人には免除制度があることを周知していきたい」と話しています。