【年金・医療】厚生年金基金廃止妥当でほぼ一致。厚労専門委が意見書

運用状況の悪化により財政難に陥っている厚生年金基金を巡り、厚生労働省の専門委員会は、2月1日に10年かけて制度を廃止していく案を妥当であるとした報告書をまとめました。同時に、一定の基準を満たした基金は存続させても構わないとの意見も併せて明記しました。

意見書のなかで廃止を妥当とする理由を「積み立て不足問題を放置することは厚生年金本体の将来の財政リスクを高めることにつながる」と説明しています。厚生年金保険本体からの不足分の補填(ほてん)については「モラルハザード(倫理観の欠如)は避けるべきだ」とし、運用の失敗により損失を膨らませた企業サイドに最大限の負担を求めています。

また、基金が解散する際に、加入企業が連帯して積み立て不足を返済する制度を見直すことについても
「やむを得ない」として認めています。一方で、厚生年金基金の返済額を減らす措置については、「講ずべきではない」として否定しました。厚生労働省は、この報告書をもとに与党と協議したうえで、通常国会に提出する方針です。

一方、大企業などの運用が健全な基金が制度存続を求めていることもあり、基金の一律廃止への反対論が根強いことが実態です。