【労働経済】日産、ホンダなど一時金満額回答の見通し

日産自動車は、今年の春闘で一時金(ボーナス)について、労働組合の要求どおり満額回答する方針を固めました。

日産の労働組合は、一時金について、昨年の要求と同水準の5.5か月分(昨年の実績は5.3か月分)を経営側に要求していました。これに対し、経営側は要求どおり5.5か月分を支給する方針を固めました。日産の一時金要求に対する満額回答は2年ぶりで、年収が平均で2.3%増額される見通しです。

日産は、ヨーロッパや中国での販売不振などで今期の減益を見込んでいます。しかし、最近は円安傾向が進み、輸出の採算が改善していることに加え、デフレからの脱却に向けて賃上げを求める政府の要望を踏まえて、一時金で満額回答の方針を固めたものとみられます。

自動車大手では、軽自動車の販売が好調な本田技研や米国販売の好調な富士重工業も一時金についてほぼ労働組合の要求に対して満額回答する見込みです。労使が交渉中のトヨタ自動車も、労働組合が要求する満額回答に応じる見通しで、今後こうした動きが広がるかが注目されます。