【労働法】春闘一斉回答 労働組合側の要求に満額回答多く 賃上げから景気回復へ

デフレ脱却を目指す「アベノミクス」の期待か、今年の春闘では、ボーナスの満額回答が多くありました。安倍首相自らが経済界のトップに賃金引き上げを要請を受けての2013年の春闘ですが、3月13日、自動車や電機など大手企業から示された回答は、特にボーナスの増額が目立ちました。

春闘相場に影響を与える大手の自動車や電機各社は、定期昇給やボーナスを労働組合に一斉回答しました。特に自動車業界では、トヨタがボーナスを「賃金5カ 月+30万円」という、労働組合側の要求に満額回答を出しました。また、三菱重工業では、16年ぶりに満額回答となりました。定期昇給などでも組合の要求をのんだ様子です。業績にばらつきがある電機業界では回答に差がつきましたが、定期昇給維持については足並みがそろいました。一部企業が定昇凍結や賃下げ した昨年春闘からは大きく様変わりしています。  

今回の春闘では、景気回復初期段階での、賃上げの特徴である、一時金(ボーナス)中心の賃上げというところが特徴という声もあります。その背景に賃金全体のベースアップを行ったのは、一部の企業にとどまっています。家具大手「ニトリ」では、社員およそ3,000人を対象に、平均で月額の給与を7,159円引き上げることを決めました。このうち、およそ2,108円がベースアップ分に相当します。

一方では、アベノミクスは期待感だけが先走りしており、実体経済は本格的に回復していません。賃金を底上げするベースアップを行った企業はまだ少なく、中小企業までに賃上げの動きが波及するかどうかはまだわかりません。円安は、燃料や輸入原材料価格の値上がりによるコストアップを招き、外食産業などの企業では厳しくなる可能性もあります。2013年春闘の賃上げの動きを景気回復につなげていく政府・日銀の連携の強化も必要と考えられます。