【年金・医療】医療費の過大交付3年間で15億円

国民健康保険や後期高齢者医療制度で、失効した健康保険の保険証が医療機関で誤って使われたことなどで、国の負担金が約15億7千万円も過大に交付されたままになっているとして、会計検査院は、厚生労働省に返還させるよう求めました。

検査院が国民健康保険や後期高齢者医療制度を運営する自治体などのうち184団体に対して検査を行ったところ、2009年~11年度に138団体で国への不適切な請求が見つかりました。 

国民健康保険や後期高齢者医療制度では、医療費が患者の自己負担と保険料に加えて国の負担金などで支払われています。 

問題があったのは、主に国民健康保険の保険証が就職や転居で使えなくなった場合。就職や転職をして医療費への国の負担分がない健康保険に新たに加入した人が誤って古い保険証を使った場合に、元の団体が引き続き医療費を払い、国の負担金も受け取っている事例が相次ぎ、3億3000万円余りが過大に交付され ていました。

後期高齢者医療制度では、自己負担は原則1割で、所得が一定額を超えた場合に3割となりますが、千葉県や鹿児島県などの23の団体では、所得が増えて自 己負担が増えた人について差額を返還させる手続きをしておらず、2009年度からの3年間に、国の負担金12億3000万円余りが過大に交付されていました。

厚労省では、過大交付があった団体について、来年度の交付金を減らすなどして対応する方針です。