【労働経済】2013年版少子化白書 子育て世代の働き方・所得に課題

政府は25日の閣議で、2013年版「少子化社会対策白書」について決定しました。週60時間以上の長時間労働をしている男性の割合を世代別に見る と、2012年に就業時間が週60時間以上の男性雇用者の割合は30代が18.2%と最も高く、以下40代の17.5%、50代の12.9%となっていま す。子育て期にある30代男性については、約5人に1人が週60時間以上の就業となっており、他の年代に比べ最も高い水準にあります。男性の育児参加が進 んでいないとして、長時間労働の抑制や働き方の見直しが必要だという指摘もあり、白書は少子化対策として、男性の育休の取得促進や意識改革などを挙げてい ます。

また、女性が第1子を出産した平均年齢が30.1歳となり初めて30歳を超えるなど、「晩産化」が進む傾向が少子化の一因と分析し、これまで子育て支援を重視してきた少子化対策について、「晩産化」と、背後にある「晩婚化」を踏まえた支援策の重要性を強調しています。

こうした晩婚化・晩産化の背景として、白書は「若い世代はこの10年間で低所得層にシフトした」と、若い世代における雇用不安や所得の減少を指摘 しています。20歳代の所得分布は、年収200万円台前半の層が最も多くなっています。30歳代についても97年統計では最多の層は年収500万~600 万円台だったものの、2007年には300万円台に落ち込んだという数字も出ており、若者の低所得という実態が結婚・出産をままならないものにしている一 因であるという問題を伺わせています。