【判例】勤務先アスベスト 遺族補償は認定、対策の不備認めず 大阪地裁判決

大阪地裁で18日、84年~86年の間に火災報知機の設置などに従事していた兵庫県の男性が06年に肺がんで死亡したのはアスベストを吸ったためで、安全配慮を怠ったとして遺族が大阪市の勤務先に対し計約6000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決がありました。

死亡は業務上のものであるとして肺がん死とアスベストの因果関係を認めた一方、会社側の安全配慮義務違反の訴えを退け、就業規則に基づいた遺族補償の未払い分約380万円の支払いを命じました。

判決理由では男性が86年まで石綿にさらされ、肺がんを発症したと認めましたが、建築物の石綿の危険性が一般に認識されたのは87年以降であり、当時は会社側が危険性を認識できなかったとして安全配慮義務違反は認めませんでした。