AIJ投資顧問による年金詐欺事件で、警視庁捜査2課は2012年7月9日午後、東京都内や神奈川県などにある4つの厚生年金基金からも計約30億円をだまし取ったとして、同社社長の浅川和彦容疑者(60歳)、同社傘下のアイティーエム証券社長の西村秀昭容疑者(56歳)ら4人を詐欺容疑で再逮捕しました。
再逮捕容疑は2010年10月~2011年10月の間、都内の厚生年金基金に私募投資信託の虚偽の運用報告を示して約10億円の投資一任契約を結ばせるなど、4つの基金から計約30億円を詐取した疑い。浅川社長らは投資信託を最大で時価の135倍に水増しして販売していたとのことです。
東京地検特捜部は同日、浅川社長ら3人を約70億円の詐欺と金融商品取引法違反(契約に関する偽計)の罪で起訴しており、一連の事件の立件額は約100億円となりました。起訴状によると、3人は昨年、長野市の長野県建設業厚生年金基金と、東京都練馬区の機械メーカー「アドバンテスト」の企業年金基金に対し、それぞれ水増しした虚偽の運用実績を提示するなどし、運用資金計約70億円をだまし取ったとされています。
このほかに再逮捕されたのはAIJ取締役の高橋成子容疑者(53歳)、アイティーエム証券取締役の小菅康一容疑者(50歳)で、警視庁は4人の認否を明らかにしていません。