【労働経済】求職者支援で不正受給の疑い 厚労省が告発視野に大阪のNPO調査へ

失業者の生活費や職業訓練を支援する国の支援事業を巡り、大阪のNPO法人が水増し請求をして支援金などを不正受給した疑いがあり、厚生労働省が大 阪府警への刑事告発も視野に調査していることが分かりました。厚労省は監視機能を担う独立行政法人の職員が関与した可能性が高いとみており、失業対策への 信頼が揺らぐのは必至といえます。

求職者支援事業は、雇用保険を受けられない短期就労者や長期失業者などに対し、職業訓練を受ける条件で、1か月約10万円の生活費が支給されます。一方、訓練を行った事業者には、5万円から7万円の奨励金が支給されます。

問題のNPOは、頭脳トレーニングの講演や冊子販売を目的として2007年に設立。10年に同事業に参入してパソコン教室などを開き、これまでに 約2000人以上分を申請していて、国からの支給額は約1億5千万円にのぼります。厚労省によりますと、先月までに、同NPOについて、「不正をしてい る」という趣旨の情報提供があったということです。

一方、職業訓練の実施が適切かどうかを検査する独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」の嘱託職員が抜き打ち検査の日程を、このNPOに事前に漏えいしていた疑いがあることも判明しており、機構は近日中に職員を刑事告訴する方針です。