労働者と使用者の関係は、労働契約を結ぶことによって始まります。
労働契約とは、労働者が使用者の指揮命令に従って働くことを約束し、使用者がこれに対して報酬を支払う契約のことをいいます。これによって、労働者には会社の指示に従って労働力を提供する義務が、会社には賃金支払いの義務が生まれ、これに従わない場合は債務不履行となります。
例えば求人広告を見た人が「働きたい」と申し出、会社が「では、お願いします」と承認すると、口約束であっても契約は成立します。
とはいえ、労働基準法では、一定の労働条件については書面で明示することが義務づけられていますし、労働条件について合意があったことを明らかにする意味でも、きちんとした「雇用契約書」を取り交わすことが望ましいでしょう。
きちんと書面を取り交わすことで、のちのちの「言った、言わない」の不要なトラブルを回避・軽減することができます。
今まで口約束だけで労働者を雇い入れていた事業主様は、これを機にきちんと労働条件を明示し、雇用契約書を作成されてみてはいかがでしょうか?