自営業者や退職者が加入し、市町村が運営する国民健康保険の1人あたりの医療費が、会社員や公務員健保の2倍に膨らんでいることが厚生労働省の調査で分かった。国保の医療費は20~69歳で会社員や公務員を上回りました。精神疾患で長期間入院する患者が会社を辞めて国保に入り、医療費が押し上げられ たとみられています。
厚生労働省が2010年度の診療報酬明細書(レセプト)を分析した調査によりわかりました。健康保険別にみると、市町村国保の1人あたり医療費が29万7260円と突出していました。これに対して大企業の健保組合は13万4006円、中小企業の協会けんぽは15万5388円、公務員の共済組合は15万140円でした。75歳以上が加入する後期高齢者医療制度は89万7084円でした。
国民健康保険は働き盛りの年齢で、医療費が会社員や公務員よりも多い傾向がみられるとのことです。「精神・行動障害」「神経疾患」にかかる医療費が特に高くなっています。厚生労働省保険局は「うつ病を発症して会社を辞めると、国民健康保険に入るしかないので、医療費が膨らみやすい」とみています。