医療費や保険料などを払い戻すと偽って金を出させる「還付金詐欺」による都内の被害が、上半期ベースで昨年のゼロから今年は153件と急増していることが警視庁のまとめでわかりました。旧社会保険庁(現・日本年金機構)の職員を名乗る手口が特に目立っており、注意を呼び掛けています。
還付金詐欺の都内での年間被害件数は、2008年の1083件をピークに減り続け、昨年は17件で上半期は0件でした。しかし今年に入って被害が急増し、上半期だけで昨年1年間の9倍の153件が発生しています。被害者の8割近くが60歳以上の女性で、被害額は約1億4563万円(平均被害額約 95万円)に上りました。
詐欺の手口は、社会保険庁や区、市役所の職員を装って「医療費や保険料が還付される」などと電話をかけてきた後、銀行の現金自動預け払い機(ATM)に被害者を誘導。携帯電話でタッチパネルの操作を指示し、現金を振り込ませるケースが大半とのことです。
警視庁は「ATMの操作で医療費や保険料が戻ることは絶対にないので気をつけてほしい」と話しています。