【労働経済】就業者、2030年に850万人減 10年比 厚労省推計

厚生労働省は20日、日本経済の低成長が続き、労働市場の改革も進まなかった場合、2030年の就業者数は2010年に比べて約850万人少ない5450万人程度に減るとの推計をまとめました。高齢化によって企業などで働く15~64歳の人口が減るためです。政府が成長戦略を着実に進め、若者や女性、高齢者の働き手を増やせば、就業者数の落ち込みは210万人程度に抑えられると見込んでいます。就業者数の減少が進めば、年金や医療、介護などの社会保障の担い手が少なくなり、制度を維持できなくなる可能性があります。また、社会保障に対する信頼感が揺らげば個人消費などにも悪影響が及び、経済成長の足を引っ張るという悪循環にもなりかねません。

雇用を「まもる」から「つくる」「そだてる」「つなぐ」に軸足を移すことが重要だと指摘しています。一部の産業への依存をやめて医療や介護を中心に高齢者の需要を取り込む産業の育成が急務になるとみています。