2012年9月10日、青森労働局は国の中小企業緊急雇用安定助成金約744万円を不正に受給したとして、青森市の広告会社「デルタ総合企画」に全額返還を求めたことを発表しました。
労働局によると、同社が不正に受給したのは、事業活動の縮小で臨時に生じた休業日の賃金の一部を国が負担する助成金制度とのことです。2011年8~12月、休業日を設けたと申請し助成金を受給していましたが、労働局の定期調査で実際は勤務していたことが判明しました。
制度上、不正が1件でも確認されれば助成が全て取り消されるため、労働局は7月4日付で助成金全額の返還を求めました。同社は事実を認めて分割払いに応じる意向を示し、既に79万円を返済しており、完済する見込みもあることから、刑事告訴は見送るとのことです。
助成金制度は、不況で中小企業が事業縮小を余儀なくされる場合でも、人員整理せずに雇用維持できるよう支援する目的で、リーマンショック後、それまでの雇用調整助成金制度を拡充し2008年12月に創設されました。