有力企業の約7割で企業年金が「業績や財務の重荷」になっていることが、最高財務責任者(CFO)を対象に実施したアンケートで明らかになりました。企業 の多くはこれまでも給付水準の引き下げなどで対応してきましたが、なお2割の企業が「将来、給付削減はやむを得ない」とみています。団塊世代の大量退職を迎え、制度や運用の見直しに動く企業が今後増える可能性がある。
今回まとめた「CFO調査」は、株式時価総額の上位300社(金融、電力を除く)を対象にアンケートを実地し、197社(66%)から回答がありました。 年金が業績や財政に与える影響が「重くなっている」と答えた企業は71%に達しました。一方、「変わっていない」は29%、「軽くなっている」はゼロという結果でした。
過去1年間でも、年金給付水準の基準となる利率(給付利率)をファミリーマートが3.5%から1%に下げ、カシオ計算機も給付水準を引き下げるといった動きが相次いでいます。
企業は年金運用が低迷し、将来の年金払に備えた資産が不足すると一定期間で処理しなければなりません。加えて2014年3月期からは積立不足が負債に計上されるようになります。財務悪化につながるだけに対応が急務となっています。