JTBのグループ会社に勤務していた40歳の課長の男性が自殺したことについて、労働基準監督署は1か月に250時間にわたる長時間の残業が原因だと認め、労災と認定しました。認定は昨年10月12日付。
代理人の弁護士によりますと、男性は主に学校の団体旅行などの営業を担当しており、部下が急に退職したり課長に昇進したりして、2010年10月ごろか ら業務量が増えて残業が続くようになりました。おととし2月にはニュージーランドで起きた大地震の影響で、ホームステイを予定していた高校生の旅行の日程や行き先の大幅な変更などの対応に当たっていましたが、およそ2週間後の3月上旬に自殺したということです。遺族は業務が集中したことによる過労自殺だとして労災を申請していましたが、労働基準監督署は男性の残業時間が亡くなる前の1か月だけで251時間に上り、その結果、精神的な病気になって自殺したとして労災と認定しました。
男性の妻は会見で、「夫は仕事が立て込み苦痛な様子でしたが、何もしてあげられなくてとても悔しいです。過労死を防ぐ取り組みを進めてもらいたい」と話していました。また、代理人弁護士は「これほどの長時間残業は極めてまれ」と話しています。
これについてJTBは「男性のご冥福を心よりお祈りしています。今後はこうしたことが起きないよう取り組んでいきます」と話しています。