大阪市の校正印刷会社での胆管がん発症者多発の際に使われた洗浄液に含まれる化学物質などが、胆管がんの発症原因になりうると判断されたのを受け、厚生労働省は、印刷業界以外でも労災認定される可能性について、労働基準監督署などへの相談の呼びかけを開始しました。
この問題で、産業医科大の労働環境学・熊谷信二准教授らによる論文が英国の国際的な医学誌「産業・環境医学(OEM)」オンライン版に3月14日に掲載さ れました。論文ではインキ洗浄用の「1、2―ジクロロプロパン」と「ジクロロメタン」の2種類の化学物質が原因と推測しており、「知られていなかった職業がん」と結論づけられています。
同日に厚労省の検討会がまとめた報告書は、同社の洗浄液に含まれていた化学物質「1、2―ジクロロプロパン」や「ジクロロメタン」について、「長期間、高濃度でさらされることで胆管がんを発症しうると医学的に推定できる」と指摘しています。
厚生労働省ホームページ:「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会」の報告書及び今後の対応について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002x6at.html